ハイビジョン編集環境のセットアップに一苦労

 パソコンでハイビジョン映像の編集するためには、例えば以下のようなソフトが必要です。
  ・Adobe Premire Pro
  ・Ulead Media Stadio Pro
  ・SONY DVgate(VAIO専用)
  ・Canopus EDIUS Pro
  ・Canopus EDIUS 3 for HDV
  ・Apple Final Cut Pro
  ・Apple Final Cut Pro Express
  ・Apple iMovie

 残念ながら、DV編集用のVideo Stadio 9やPremire Elementsのようなお手軽なソフトは使えません。現時点(2005年7月)、一般のWindows PCで使用可能で最も低価格なソフトはCanopusの「EDIUS 3 for HDV」(標準価格 29,800円(税別))です。


 ただし、このソフトでHDVの編集を行うためには、
 CPU : Pentium D または Pentium Xeon 2.8GHz×2
 Memory : 1GB以上
 Video Card : 128MB以上の画像メモリ
を持つパソコンが必要とのこと。かなりのハイスペックです。

 ハイビジョン映像は、解像度の関係で元々のデータ量が多く(DVの約4.5倍)、HDVではデータ量を削減するために、映像データをMPEG2圧縮して、従来のDVテープに記録しています。一方、MPEG2という圧縮形式は編集作業には不向きなので(注1)、EDIUSでは編集に適したデータ形式に変換し、編集時の良好なレスポンスを確保しています。EDIUSはパソコンに映像データを取り込む際、リアルタイムに変換して取り込む(EDIUSではHQキャプチャ(注2)と呼ばれる)ことができるのですが、これには強力なマシンパワーを必要とします。

 7月6日、店頭で1日早くEDIUS 3 for HDVが入荷していることを発見。さっそく購入しましました。まずはダメ元で手持ちのPCにインストールし、ハイビジョン映像の取り込みにトライしました。

 インストールしたパソコンは、今までDVのビデオ編集に使っていたものですが、そのスペックは

 CPU : Pentium 4 2.4GHz
 Mother Bord : GIGABYTE GA-8IPE1000PRO2 (Intel865PE chipset)
 MEMORY : DDR SDRAM 512MB×2 (計1GB)
 Video Card : GeForce 5200 (AGP、画像メモリ 128MB)
 DISK : SATA 160GB×2、IEEE1394接続リムーバブルハードディスク×2

です。そんなに非力なパソコンでもないのですが、残念ながらハイビジョン映像の取り込み(HQキャプチャ)は処理が追いつかず、すぐに処理が止まってしまいました。一旦、MPEG2の形式のまま取り込んで、その後に変換処理をかけるという方法もあるのですが、変換処理に実時間の約2倍の時間がかかりました。1時間の録画テープを編集する準備に、取り込み1時間+変換2時間=計3時間かかることになります。これではつらいので、やはりパソコンの強化が必要という結論となりました。

 Pentium D搭載のパソコンは、新たに買うとなるとショップブランドの安いものでも15万円ほどはしますが、私のパソコンは自作機なので、部品単位での交換が可能です。ところが、CPUにPentium Dを使うにはマザーボードを新しいもの(945 chipset)に変えなければならず、マザーボードを変えるとメモリーもDDRではなくDDR2に、ビデオカードもAGPではなくPCI Expressに変えざるを得なくなり、結局中身を大幅に入れ替えることに・・。

 新規に購入した部品は以下の通りですが、部品代に約9万円もかかってしまいました。

 CPU : Pentium D 3GHz
 Mother Board : GIGABYTE GA-8I945G PRO (Intel945G Chipset)
 Momory : DDR2 512MB×2 (計1GB)
 Video Card : GeForce 6600 (PCI Express、画像メモリ 128MB)

 マザーボードを交換したため、今まで使っていたディスクからWindows XPが立ち上がらなくなってしまい、OSからソフト全てを再インストールするはめになりました(泣)。しかも、話はこれだけでは終わりませんでした。

 HC1とパソコンは、従来のDVカメラと同様にIEEE1394ケーブルで接続します。今回買ったマザーボードには、IEEE1394チップが載っています。HC1を接続すると正常に認識されましたが、なぜか今まで使っていたIEEE1394接続のリムーバブルハードディスク(ラトックシステムのFR-MDK1)が認識されません。手持ちに増設用USB2.0/IEEE1394カード(BUFFALOのIFC-PCI7IU2)があったのでそちらを差してみたところ、リムーバブルハードディスクは認識されるようになりましたが、今度はHC1からのキャプチャがブツブツと途切れるようになってしまいました。

 7月9日(土)、雨で撮影には行けないので、丸一日いろいろと試行錯誤しましたが、結局問題は解決できず、IEEE1394接続のリムーバブルハードディスクの使用を断念しました。増設用USB2.0/IEEE1394カードは抜いて、マザーボードのIEEE1394コネクタにHC1をつなぐこととし、リムーバブルハードディスクの方を以前使っていたIDE接続のものに変更しました(注3)。HDVカメラとパソコンのIEEE1394接続に関しては、かなりセンシティブな部分があるようです(注4)

(注1) MPEG2は圧縮率が高いものの、前後の映像の差分を利用して効率的に圧縮する仕様のため、映像の一部を取り出して切ったり貼ったりする編集作業には基本的に向かないデータ形式。
(注2) HQキャプチャするとデータ量が増える。60分の映像だと、HDVの元データ(MPEG2)で13GB、HQキャプチャで30GB。(ちなみにDVだと13GB)
(注3) IEEE1394接続のリムーバブルハードディスクは、Windows起動中でもディスク交換が可能なため、使い勝手がよい。IDE接続のものはWindows終了時にしか交換できない。
(注4) ネット上の情報では、IEEE1394のチップの種類により、HC1が正常に認識されないケースがあるなどの相性問題が報告されています。

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