高松空港遠征(10月2日、8日)
10月2日(日)と8日(土)、以前から行きたいと思っていてなかなかチャンスがなかった高松空港に遠征しました。その時の様子をレポートしたいと思います。
「花と飛行機」。このテーマに適した空港と言えば、成田空港の桜(春)、福岡空港の菜の花(春)、女満別空港のひまわり(夏)、そして高松空港のポピー(春)やコスモス(秋)といったところが思い浮かびます。特に高松空港は、空港の南側にある「さぬきこどもの国」という公園のお花畑が広くてきれいなことで有名です。
私は、2年ほど前から、秋のコスモスが咲いている時期に高松空港を訪れたいと思っていて、そのタイミングを狙っていました。しかし、コスモスが満開で美しい期間は限られます。さらに飛行機だけでなく花も一緒に撮るとなると、天候がとても重要で、何としても晴天であって欲しいところ。一昨年、昨年も、コスモスの咲き具合と週末の天気予報をチェックしていたのですが、タイミングが合わずに断念。今年こそはということで、8月に入った頃から現地の情報収集を行ってきました。
今年は8月の台風12号の影響で、お花畑のコスモスがかなり倒れてしまい、開花が危ぶまれていたのですが、9月末になって満開になりつつあるとの情報を入手。10月の初旬が狙い目と思っていたところ、10月1日(土)、翌日の天気予報で高松に晴れマークが付いたので、10月2日(日)、遠征を決行しました。
ところが現地に着いてみると、予報に反してぱっとしない曇り空。たまに薄日が差すので、最悪の状況とまではいかないものの、盛り上がっていたテンションは急降下。お花畑のコスモスがよい感じに咲いているだけに、大きなショックを受けました(泣)。
とはいえ、わざわざ東京から出向いたのですから、少しでも元をとろうと撮影に励みました。しかしながら、帰宅後、撮影したビデオをチェックしてみると、曇り空ではせっかくのコスモスの花の色合いがくすんでしまって、今一つのカットばかりという結果に・・・。
どうしたものかと思っていたところ、次の週末、三連休の直前の10月7日(金)に、再び翌日の高松の天気予報が晴れになりました。10月2日のコスモスの咲き具合から考えて、今年はこれが最後のチャンスかもしれない。しかし、もう一度行くにはコストもかかるし、また天気に恵まれなかったら、それこそもう立ち直れない。コスモスはともかくとして、高松空港の映像は手に入ったのだから、遠征するならまだ行ったことのない空港を優先すべきではないのか・・・。かなり悩んだのですが、リベンジの誘惑には勝てず、10月8日(土)に再度高松空港を訪れました。
高松空港は高松市の中心部の南、高松駅からリムジンバスで30分ほどの高台にあります。滑走路の長さは2,500メートル、方向は08/26。下は空港周辺の地図で、クリックすると拡大表示になります、赤字でAからEとあるのは、実際に撮影を行ったポイントです。
遠征当日は、羽田発7:25の朝一番のANA便で8:40に現地入り。今度の高松の天気は、予報通りの晴れ(感涙)。ただ、到着直後は空の色が白っぽく、やや不安の残るスタート。予約しておいたレンタカーを借りた後、最初の撮影ポイントであるターミナルビルの展望デッキ(A地点)に向かいました。
9:30頃、展望デッキに到着。高松空港の展望デッキ(入場料100円)は、ターミナルビルの3階にあります。
展望デッキには高いフェンスがあり、中央部分はガラス、その左右は金網です。ガラスはあまりきれいではなく、写り込みもあるので撮影には不向き。金網の部分には少数ですが、撮影用の穴(やや大きめ)が開いています。ターミナルビルは滑走路の北側にあるので、ここからだとエプロンや滑走路上の飛行機は逆光になります。
ターミナルビルの西側に見える管制塔(手前は、工事中の新しい管制塔)
プッシュバック後、滑走路に向かうANAの767-300、羽田行き
高松空港のプッシュバックは、斜めに短くプッシュバックする「ハーフプッシュバック」です。正面には「さぬき」の大きな文字が見えます。
展望デッキでは10:00頃まで撮影。この間の離発着は、羽田への出発機が2機(ANAとJAL)でした。高松空港のトラフィックはそう多くはないので、1機1機が貴重です。
その後、ターミナルビルを手早く数カット撮影してから、本命の撮影ポイントである「さぬきこどもの国」に移動しました。
さぬきこどもの国は、空港南側全体に設けられた広い公園です。滑走路よりも高い場所にあるので、フェンスに邪魔されずに空港を見渡すことができる、絶好の撮影ポイントです。概ね終日、順光での撮影が可能です。特にその東側(Bポイント)には広いお花畑があり、春から秋にかけて様々な草花が咲きます。10月のこの時期はコスモスです。なお、園内にはYS-11の実機も展示されています。
ランウェイ26に着陸するANAの767-300。この日は東風微風でしたが、着陸はほとんどランウェイ26でした。高松空港は、ランウェイ26が優先滑走路のようです。
朝は白っぽかった空も、時間が経つにつれて青さを増し、15時頃までは晴天が続きました。コスモスのお花畑はかなり広いため、その周囲を移動することで、いろいろな撮影パターンにトライすることができます。コスモスと青空。このようなチャンスは今度いつ出会えるか分かりません。休む暇も惜しんで、離着陸機や空港施設、周囲の風景などを撮影しました。
15時を過ぎると、空が曇ってきました。そこで、今度は撮影場所を公園の西側、ランウェイ08エンドに近いCポイントに変更。
ここでは、ランウェイ26を使って着陸した着陸機がターンするところや、ランウエイ08エンドから滑走を開始する離陸機を間近に見ることができます。太陽は雲に隠れていましたが、16:15頃まで、着陸機、離陸機それぞれ1機づつを撮影。
なお、滑走路の北側にも撮影ポイント(D地点)があります。さぬき空港公園アドベンチャーゾーンの展望広場で、この日は行きませんでしたが、10月2日(日)にはそこで撮影を行いました。
ここは、公園の駐車場から少し離れたところにあり、2メートルほどのフェンスがあるため、撮影には脚立が必要。かつ、フェンス間際は立ち入り禁止で、脚立を使ってもランウエイ26エンド方向を撮るにはフェンスが邪魔になります。夏場の夕方以外は逆光です。
16:30には、最後の撮影ポイント(E地点)に移動。ランウェイ26エンドにある狭い丘のような場所で、登るとフェンスの上から空港内を見渡すことができます。
この日の夕暮れは、夕日が姿を見せてくれたおかげで、なかなかよい雰囲気になりました。
日没後、18:10の到着機を最後に撮影を終了。19:10の羽田行きANAの最終便で帰途に就きました。
同一シーズンに同じローカル空港に2回も遠征したのは、高松空港が初めてです。1空港に対して、かなりのコストを投入しましたが、撮りたかった絵は何とかものにすることができました。しかしながら、目的は達成したとはいうものの、コストパフォーマンスという点では厳しい遠征となりました。このようなことは、さすがに頻繁に行うことはできません。今回のように撮影条件がシビアなケース(特に天候や自然現象など、自分ではコントロールできないもの)の場合、限られた時間とコストの中でどう対処するのが合理的なのか、課題の残る遠征となりました。