新千歳空港撮影準備 (8)


 真冬の新千歳空港での撮影に備えて、ビデオカメラの防寒用のカバーを作ってみました。

 もちろん、最初は市販品で適当なものはないか探したのですが、スチルカメラ用のもの、プロが使うビデオカメラ用のものだと良い製品がいくつかあったのですが、私の使っているSONYのHC1にフィットするものとなると見つけることができなかったからです。

 ネットで色々と情報収集していたら、プロのビデオカメラマンのブログに、スキーの撮影用にエアクッション(こわれやすいものを保護するための梱包材)でカバーを自作したという記事が掲載されていました。エアクッションの中の空気が保温効果を発揮するとのこと。私は、できることならHC1の液晶モニタや純正の外部マイクも使えるカバーが欲しいと思っていたので、「しょせん既製品では無理だろう。これは自分で作るしかないか・・。」という結論に至りました。

 材料は、軟質プラスチック製の書類ホルダー、梱包材のエアクッションとウレタンフォーム、マジックテープです。材料費は2,000円くらいです。それらを切り抜いて、ビニールテープと両面テープを使って貼り合わせて作りました。



 装着方法ですが、まず初めに、バッテリー(最も寒さに弱い)とビデオカメラの下の部分を防寒材で覆います。


 使い捨てカイロをバッテリー部分をはじめ、何箇所かに貼り付けたあと、さらに、カメラの上から全体にカバーをかぶせます。

 手持ちでの撮影は想定しておらず、撮影のスタート・ストップ、ズームイン・アウトなどの基本的な操作は、運台のハンドルに取り付けてあるリモコンで行うので、この状態でも特に撮影に支障はありません。


 テレコンを付けると、こんな感じになります。雪が降っているときは、この状態で使います。HC1の場合、レンズの根元の部分にオートフォーカスの入/切など、いくつか操作が必要なスイッチ類があるので、その部分はマジックテープで開閉できる小窓を付けました。


 雪が降っていない場合は、カバーの上の部分を開けて、外部マイクを取り付けます。


 液晶モニタ部分は透明なので、見ながら撮影することができます。HC1の場合、液晶モニタがタッチパネルになっていて、そこでカメラの設定を行いますが、このカバーは柔らかいので、カバーの上からタッチパネルの操作もできます。


 外部マイクを取り付ける部分だけ、カバーに穴を開けてあります。


 カバー内部の温度が確認できるように、温度計も取り付けてみました。

 私の住んでいる東京だと、北海道のように氷点下には気温が下がらないのですが、先日、夜明け前の成田空港でこのカバーの使い勝手および防寒性能をテストしてみました。結果は、撮影に特に支障はなく、また、カバー内部にミニタイプの使い捨てカイロを3個仕込んだ状態で、外気温0℃のときカバー内部を12℃に保つことができました。カイロを増やせば、温度をもう少し上げることもできそうなので、真冬の新千歳空港の外周でも、これなら何とかなりそうです。

 防寒用のカバー作りですが、自作もやってみると何とかなるもんですね、いざやりだすと真剣になってしまって、小学校・中学校の図画工作の時間に戻ったようで、結構楽しめました(笑)。

新千歳空港撮影準備 (8)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 882@2 より:

     この自作カバーの話を読んでいたら、こちらまでドキドキしてきました。
     ひとつ気になるのは、使い捨てカイロは体に着けていなくてもあったかいのだろうかということです。たしか、体温に触れていないとあったかくならないかと思ったのですが、カメラ自体の熱でもOKなのかな。
     バッテリーにエアクッションというのは、東京でも冬場の撮影で生かせそうですね。真似をさせていただくかもしれません。
     吹雪くような寒さだと、雲台のオイルが固まってザハトラーでないと使えないなんていう話も聞きますが、帰ったらその辺もどうだったかを、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
     昨日か一昨日だったか、朝のニュースで札幌に雪がなく、雪祭りの対策に困っているという話を聞きました。星澤さんが行かれる直前にたくさん降り、行くときには止んで飛行機の到着にも影響がない、なんていう風に上手くいくと良いですね。
     私も今は子持ちなので、一人で撮影旅行に出掛ける機会を得ることの大変さを実感しております。ですから、この撮影旅行の成功をお祈りするとともに、作品のアップを楽しみにしています。

  2.  使い捨てカイロは、鉄分の酸化で熱で出す仕組みのようですから、酸素と暖めるもの(通常は衣類の間の空気)があればいいみたいですよ。このカバーは、エアクションの空気とカバー内部の空気が暖まるようにと考えて作ったのですが、テストしたところでは、使い捨てカイロの熱で確かにカバー内部の温度が上がりました。
     でも、現地で試してみないことには、効果のほどは未知数ですね。軟質プラスチックのカバー自体も、0℃だとかなり硬化したので、どうなることやら。
     運台の件は、確かに不安材料です。寒くなると、運台の動きはだんだん固くなりますからね。0℃では問題は出ませんが、千歳だと最低気温-10℃~-15℃ぐらいは覚悟する必要があります。カメラをパンするときにがたつくようだと最悪ですが、どうしたものでしょう。ザハトラーはちょっと手が出ないし・・。

  3.  現在使用中の運台はManfrottoの503なんですが、動作可能温度は-20℃~+60℃となっていました。カタログベースではとても優秀です。運台も暖める必要ありかと思って、ちょっと考えていたんですが、大げさなことをしなくても何とかなりそうですね。
    Manfrotto 503 :
    http://www.manfrotto.com/Jahia/site/manfrotto/cache/off/pid/3293?livid=80|86&idx=87
    (FULL TECHNICAL SPECIFICATIONS 参照)

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