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新千歳、行ってきました 投稿者:882@2 投稿日:2008/01/14(Mon) 00:39 No.2095
 新千歳空港は下地島・伊丹に並ぶ旅客機マニアの憧れの場所ですが、氷点下での撮影を含めて初めての撮影地でした。それなりに事前の準備と情報収集をしていきましたが、そのなかでもこのサイトの情報にはとても助けられました。
 また、星澤さんにご相談したフェンスの高さについても、制約が多かったものの、なんとか鉄条網の隙間から撮影することができました。
 非常に長くなりますが、星澤さんへのお礼と、大型三脚なし・低い脚立・短期間で撮影したいと考えている方の参考になればと思って、以下に書きました。
(このサイトは「新千歳空港 冬 撮影ポイント」でGoogle検索するとトップに表示されます)

 1日目、RW01、曇り時々晴れ、気温は3℃〜−12℃、ほぼ無風でした。昼頃に最初のポイントRW19エンド(正確には国道から入った直線の突き当たり)に車を停め、そこで15分くらいスチルで撮影しましたが、ここではお腹しか写らないのですぐに移動しました。
 2箇所目は生コンポイント、ここで夕方まで撮影しました。
 何とかフェンスをクリアでき、鉄条網の下から2段目くらいの隙間でパンすることができました。しかし、この隙間からフォローできる時間は短く、例えば、離陸を撮れば機体が浮き上がった瞬間くらいに柱がレンズを遮り、着陸は接地した瞬間が写らないといったように中途半端な映像しか撮れませんでした。
 
 2日目、RW01、曇り時々晴れ、気温は-5℃〜−12℃、一時は5・6m/s程度の風でした。
 RW01に着陸する機体が道道130号線を通過するところを下から撮影しようと車を停めましたが、1機を撮影したのみですぐに移動しました。
 次に昨日と同じく生コンポイントで撮影しました。最初は門の際で撮影しましたが、門に向かって左手に行くと斜面に沿ってフェンスが下がっていることに気付き、ここで脚立なしで撮影できました。
 ここが今回唯一のフェンスがないポイントで、脚立を持たずに行くとここでしか撮影できないようです。
 2日間と短い時間なので時間のロスが嫌でずっと生コンポイントで撮影してきましたが、逆光であることと絵がワンパターンになってきたことから思い切って14:30を過ぎたころにA10ポイントに向かいました。
 林道入り口の脇に車を停め、三脚・脚立・ビデオ・カメラを持って撮影ポイントに向かいましたが、本当にここで良いのかフェンスが見えるまでずっと不安でした。
 ポイントに着くと、とんでもなく間近で、おまけに順光です。名古屋空港の水門ポイントと伊丹空港の水門ポイントで、このくらいの至近距離から撮影できましたが、ここでは目の前でターンするので、撮影には最適でした。
 もっと早くここに来ていれば良かったと後悔しながらも1時間ほどガツガツ撮影し、帰りの飛行機に乗りました。

<使用機材>
 ビデオ:HDR-HC1、カメラ:EOS20D、レンズ:EF70-300f4-5.6IS+SIGMA18-55、三脚:ネオカルマーニュ730+ボールレベラー438+雲台マンフロット503、2段脚立(分解して運搬)

<寒さ対策:人間>
 下着は上下で1万円くらいする厚手のシャツとタイツですが、それ以外はホームセンターで買った安物ばかりです。靴は安い防寒長靴にスキー用の靴下、使い捨てカイロを足の裏・甲・足首に貼りましたが、−10℃くらいになると足先がとても痛かったです。
 ほかの人たちは頻繁に車に出入りしていましたが、私はどの程度で機材の結露が心配でほとんど車外にいて、車に乗ってもエンジンは掛けなかったので車内は0℃前後でした。足の防寒対策は最重要です。

<寒さ対策:機材>
 HC-1には、星澤さんのようなカバーを付けず、液晶パネル裏・バッテリー・デッキ部にプチプチを気休め程度に貼り付けただけでしたが、バッテリーの減りは早かったものの、特に不具合やトラブルなく撮影できました。QM91×1とQM71×2しか持っていませんが、2日間で70分程度しか撮影しなかったので、QM71が1.5本程度でした。
 デジカメは、1日目はバッテリー交換無しで約1000枚撮影しました。そのバッテリーをホテルで充電し、2日目に使ったら10枚程度でバッテリー切れ、他のバッテリーに替えても最初の連写中にバッテリー切れになりました。
 そこで、非常用に持って行った透明の雨用カバーを装着しカイロを2枚貼ったところ、外気温が−7℃に対してカバー内は5℃となり、3本目のバッテリーは約1000枚ほど撮影できました。ただ、このカバーはカチカチに硬くなって非常に使いにくかったです。
 三脚は、カーボンなので冷たくて触れないということはなく、凍り付いて伸縮できないといったこともありませんでした。それよりもエレベーターを伸ばした状態なのでちょっとした風でもユレが出て困りました。
 雲台は、オイルが固まって動かし難いということはありませんでしたが、ドラッグの微妙な調整が効かないようでした。

<クルマ>
 1300ccの小型4WDを借りました。三脚・脚立・機材・荷物を積むには、このクラスが限界かなと思いました。
 不慣れな雪道でしたが、空港周辺や生コンポイントは問題なく走れました。しかし、A10ポイントやRW19エンドの直線から先は、1人だとスタックしたときに押すことができず危険だと思いました。
 各ポイントともにわかりにくく、私は星澤さんがこのサイトに貼ってくれた航空写真をカラープリントして持って行ったので、非常に助かりました。レンタカーのカーナビや撮影ガイド本だけでは、相当な時間のロスが生じたかもしれません。

<ホテル> 空港内の三井アーバンホテル新千歳空港に1泊(8,700円)しました。駐車場1,200円、朝食が1,400円なので合計11,300円ほどになり、ちょっと高めですが非常に快適でした。
 部屋はビジネスホテルにしてはとても広く綺麗で、おまけに空港内なので食事や買い物にも困りません。まず部屋に戻って熱い風呂に入り、空港内で食事してビールを飲み、また部屋に戻って熱い湯に浸かって冷え切った身体を暖めることができました。
窓からは目の前に飛行機を見ることができ、撮影旅行には最適でした。

 新千歳の有名な撮影ポイントは、生コンポイントの一部以外はすべて厳重なフェンスで覆われ、ここでの撮影における課題は「如何にフェンスをクリアするか」であり、そのために「三脚」と「足場(脚立・クルマのルーフ等)」をどこまで用意できるかに掛かっていると思います。
 実際に、どのポイントにもクルマのルーフに三脚を据えて、私の悩みを簡単にクリアしている人たちがいて、非常に羨ましく思いました。
 撮影ではフェンスの障害は大きく、また寒さで気力が続かずにいい加減な撮影になりがちでした。やはり星澤さんの作品は、多くの経験と技術に加えて、並ならぬ準備と努力によって出来上がったということ、そして自分はそのすべてが中途半端だということを痛感しました。
 今回の遠征では、想像していたより雪が少なく、現地の人によると昨年以上に雪が少ないとのことでした。次回は南風のときに、RW19エンドで雪レフで輝いた飛行機を撮影しに行きたいと思います。


添付:2095.jpg (0KB)

Re: 新千歳、行ってきました - Takashi Hoshizawa 2008/01/14(Mon) 13:34 No.2096 HOME
 星澤です。新千歳遠征、ご苦労様でした。天候もまずまずだった様子、また三脚の高さも鉄条網の部分には届いたとのことで、よかったです。

 北風の時のA10ポイントはよい撮影場所なんですが、入り口は見つけにくいし(看板など何もない)、雪道を歩く距離が長いので、到達するのにかなり苦労する場所です。私も前回行ったときには、入り口を発見するまでに数時間ロスってしまいました。二日間という日程だと、万一迷ったりしたら取り返しがつかないのでお薦めしなかったんですが、すんなり到達できたとのこと、おめでとうございます。

 カメラは、やはりバッテリーの防寒対策がポイントだということですね。風向きですが、前回私が行ったときには6日間で南風は2日だけでした。やはり冬場だと、南風は確率的に分が悪いようです・・。

 新千歳の冬の寒さは厳しく、フェンスも高いので撮影は難しい空港です。でも、新千歳の雪景色の美しさと多数のトラフィックには、他の空港には代えがたいとても大きな魅力があります。私が公開しているビデオ映像も、膨大な没カットの屍を乗り越えたものたちです(笑)。お互いがんばりましょう。

PS:
 空港内の三井アーバンホテル新千歳空港の窓から飛行機が見えるとは知りませんでした。ちなみに、窓からの撮影は可能な感じですか?

Re: 新千歳、行ってきました - 882@2 2008/01/14(Mon) 21:35 No.2097
 コメントありがとうございます。
 A10ポイントはカーナビにも出ていない道で本当にわかりにくく、私の場合は残り1時間半くらいだったので、ここの航空写真がなければタイムアウトだったと思います。
 「2007 New Chitose」は事前に何度も読んでいましたが、全部プリントアウトして往路の飛行機で、ホテルで寝る前にと繰り返し読んでいたこともあり、初めてにしてはあまり無駄なく行動できたかと思っています。
 このサイトは動画はもちろんですが、撮影ポイント情報として下地島と新千歳空港に関してはネットで私が調べた中で最も優れていると思いました。
 A10ポイントにしても、道道130号線から進入する箇所の写真が掲載されているので、これを良く見ればわかると思います。
私はモノクロプリントだったので写真が判別できませんでした。

 当分は新千歳に行ける機会はないのですが、フェンスで悔しい思いをしたので、フェンスをクリアする方法をいろいろ考えてみました。
 SYSTEM5にこんなものが出ていたのは以前から気になっていましたが、結構使えそうです。ただ、値段が…。
 http://www.system5.jp/ec/html/item/001/032/item31744.html
 車のルーフに乗っている人が結構いましたが、凹まないんでしょうかね。超望遠レンズを付けた三脚をルーフに乗せたままクルマの中で温まっている人もいましたが、三脚はただ乗せているだけではなく何らかの方法で固定しているのでしょうか。
 もし地元の方が見ていたら教えてください。

 以前に名古屋の遠征で知り合った方は、フェンスをクリアするために、普通の三脚の脚にホームセンターで買った鉄(アルミ?)パイプを挿して高くしているといっていました。
 また、大型三脚や脚立の送料や現地での運搬・設置手間を考えると、ルーフに乗れるようなクルマを借りるほうが良いかもしれないなどと考えました。。

 三井アーバンホテルですが、私が泊まった部屋は目の前が駐機スポットでした。しかし窓が狭く、部屋の位置によりますが滑走路に対して並行ではないので、離着陸をフォローするのは難しいと思います。

 星澤さんが行かれるときまでには、雪が増えていると思います。今回も傑作を期待しております。

Re: 新千歳、行ってきました - Takashi Hoshizawa 2008/01/14(Mon) 23:25 No.2098 HOME
 星澤です。ホテルの窓からの写真ありがとうございました。参考になりました。

 また、ご紹介いただいたURLのスコーピオンポッドですが、こういうのが理想的ですね。欲を言えば、できればもう少し足場は広い方がベターかな。ただ、購入するにはちょっと厳しすぎるお値段(笑)。さすがに、こんなの個人で買う人いませんよね。プロ用ですよね、どうみても。もし、これを買ったりしたら家族から袋叩きにあいそう(笑)。

 屋根に上れる車を借りるというのは、とても魅力的な選択肢だと思います。レンタカーは上級車種になると料金も結構するので、屋根に上れて料金も安い車種を見つけられるかどうかがポイントですね。あるいはそういう車を買って(!)、フェリーで現地に行くとか。うちの家族からは、今度はランドクルーザーみたいな車がいいという声もあるので、うまく誘導すれば実現可能かも(笑)。

Re: 新千歳、行ってきました - tantan 2008/01/15(Tue) 21:47 No.2099
星澤さん 882@2さん はじめまして

私は札幌に在住のものですが、時折デジカメ持参で新千歳や丘珠辺りを徘徊しております。
いつも高品位の動画で楽しませていただいております。
それにしても見事な作品ばかりで、こんな動画を公開されていることに感謝いたします。
私がこのスレにもう少し早く気がつけば、882@2さんも、準備ができたかもしれませんね。ということで、少しだけ情報を提供させていただきます。

まずフェンスの高さですが、写真の踏み台は高さ56cmです。
私の床から鼻までの高さ(カメラのレンズの高さに相当)が約165cmですので、合計211cmでは有刺鉄線を完全にはクリアできません。
高さ79cmの脚立では合計244cmとなり、辛うじてクリアできます。

車のルーフに乗っている方々は、地元の有名な方が多いのですが、大型RVに市販のルーフキャリアを載せているようです。
これらの最大荷重が、どの程度か不明ですが、メーカーのカタログには、走行時は50kg程度に抑えよとの記述があります。
ということは停車時には80〜100kg程度はOKなのではないでしょうか。
もっともこれらの数値はキャリアよりも、ベースの車のルーフの強度が左右するようです。

また車のルーフ上は風や人間の移動で結構揺れます。スチル撮影ならそのままでも耐えられますが、ビデオ撮影となるれば車体の揺れを防止する工夫が必要かと思います。

ですから大型三脚+足場という組み合わせがベストなような気がします。
またA10までの機材の運搬ならば、積雪期間であれば「ソリ」を使用されるとよいかもしれません。
この時期、ホームセンターでは子供の遊び用から、ちょっと大型のものまで何種類かのプラスチック製のソリを販売しています。
住宅街ならば、買い物帰りの主婦が、荷物を載せて引く姿を見かけることもあります。
10〜20kg程度のものであれば、これで楽に運搬もできるかと思います。
一度実物をご覧になってください。

今後も素晴らしい作品が見られることを期待しております。


Re: 新千歳、行ってきました - Takashi Hoshizawa 2008/01/16(Wed) 00:00 No.2100 HOME
 tantanさん、とても分かりやすい写真とコメント、ありがとうございます。
 車のルーフの揺れというのは盲点でしたねえ・・。
 千歳のホームセンターの場所はいくつか知っているので、今度行った際にはのぞいてみることにします。

Re: 新千歳、行ってきました - 882@2 2008/01/17(Thu) 23:45 No.2101
 tantanさん、コメントと貴重な情報をありがとうございます。

 やはり鉄条網をクリアするためには3段脚立が必要ですね。
 私は今回の千歳では、2段脚立をドライバーで分解し、三脚ケースに入れて持って行きました。
宅急便で送るとなると、1日目にホテルで受け取ったり2日目に空港で発送するのは時間のロスになると思ったからです。
 しかし、3段脚立ともなるとそうは行かないので、宅急便で送るか現地購入しかないですね。

 私が行ったときはグランドハイエースのルーフに乗っている人がいました。
 そのときの写真を撮ったので先ほど確認しましたが、ルーフに直接に乗っているようです。こういう方は少数派なんでしょうね。
どうやって上がったのかも見ておけば良かったです。
 しかし、揺れはまったく想定していませんでした。たしかに、ビデオ撮影には不向きかもしれませんね。

 A10ポイントはとても素晴らしいのですが、入り口を見つけること、入り口からポイントまで遠いことに加えて、フェンス際が斜面になっていることに困りました。
ここで撮影したときは私以外には2人の方がいましたが、どちらもクルマの上で撮影されていたので、脚立で撮影する方はどのように乗っているのかわかりませんでした。
そこだけスコップで地面を平らにするとか、地元の人は工夫されているのかもしれませんが。

 星澤さん、今日は東京も雪が降ったくらいなので、千歳の雪もだいぶ増えたことかと思います。
 気温もだいぶ低いかも知れませんので、来週は、怪我や病気などなさらないよう、気を付けて撮影してください。
 新作を楽しみにしています。