FZ1ってどんなカメラ?(4)

(8) 「狙った作品」を撮るには、撮影モードの活用がポイント

 FZ1の撮影モードは、バージョンアップを行っていない場合、かんたんモード/通常撮影モード/マクロモード/ポートレートモード/スポーツモード/流し撮りモード/夜景ポートレートモード/動画の8種類です。

 バージョンアップキットを使ってファームウェアのバージョンアップを行うと、シャッター速度優先AE/絞り優先AEが追加になります。マニュアルモードやマニュアルフォーカスはできません(AFロック(置きピン)は可能)。光学式手ぶれ補正機構付きの12倍ズーム機ということで、マニアックな使い方を望む方は、ファームウェアのバージョンアップを行いましょう。なお、FZ1の後継機種のFZ2では、最初から、シャッター速度優先AE/絞り優先AEが付いています。

 とはいえ、バージョンアップを行っていないFZ1では現実問題として、もともとついている撮影モードを最大限活用する必要があるので、各撮影モードがどのようにプログラムされているかを、確かめてみました。

<測定の方法>

 晴天の日中、最大望遠での撮影時、NDフィルタを使って光量を変化させ、各撮影モードがどのような絞り・シャッター速度を選択するかを測定しました。

<測定結果> (表をクリックすると拡大表示になります)

 

 ISOの設定をAUTOにしておくと、光量が少ない状況では、シャッタースピードの低下を防ぐために、増感されることが分かります(上の表の赤字部分)。
 
 ポートレートモードは、できるだけ絞り開放で撮影しようとします。

 スポーツモードは、明るければできるだけシャッタースピードを速くしてくれそうですが、上記の測定結果の通り、シャッタースピードが1/250以上になる場合、逆に絞りをしぼって被写界深度かせぐ(ピンボケを防ぐ)ようにプログラムされています。高速シャッターを使いたい場合は、むしろ通常撮影モードやポートレートモードの方が適しています。

 夜景ポートレートモードは、F6.5~F8に絞りこみます。フラッシュを閉じておくと最大8秒のスローシャッターが可能ですが、暗い場所では三脚が必須となります。フラッシュを使わずに、できるだけ絞りを開いて手持ちで撮りたい場合は、裏技があります(「パナライカ寄合場」の「FZ1ウルテク実験室!」を参照)。

 流し撮りモードは、背景が流れるように、1/30秒から1/60秒あたりにシャッター速度を設定しようとしますが、天気のよい日の日中はシャッター速度が速くなりすぎるため、NDフィルターで減光する必要があります。

 なお、ポートレートモード、スポーツモード、夜景ポートレートモードは、ホワイトバランスをAUTOに設定していても、晴天屋外に適した設定に変更されるので、室内での撮影等では色調がおかしくなります。この場合は、ホワイトバランスを、白熱灯に設定する等の注意が必要です。

 これらの特徴により、FZ1の撮影モードは、以下のような使い方が考えられます。

■絞り優先AE的な使い方

絞り開放で撮りたいとき(人物など)…ポートレートモードを使う。
光量過多のときは、NDフィルターで光量を落とす(=絞りを開ける)。

絞り気味で撮りたいとき(風景など)…スポーツモードを使う。

パンフォーカスで撮りたいとき…夜景ポートレートモードを使う。

■シャッター速度優先AE的な使い方

最も高速なシャッター速度が必要なとき…ポートレートモードを使う。
さらに高速にしたい場合は、ISO感度を上げる。

比較的高速なシャッター速度で撮りたいとき…スポーツモードを使う。

流し撮りしたいとき…流し撮りモードを使う。
シャッター速度が速すぎる場合は、NDフィルターで光量を落とす(=シャッター速度を下げる)。

スローシャッターで撮りたいとき…夜景ポートレートモードを使う。

投稿者 webmaster : 2003年02月06日 00:00 | コメント (0) | トラックバック (0)

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