SONY FDR-AX1でノイズを抑えたすっきりと美しい映像を撮る

Sony-Handycam-FDR-AX1-Is-the-World’s-First-Ever-4K-Camcorder-1

SONYの4Kビデオカメラ、FDR-AX1を2年以上愛用しています。もっぱら空港や飛行機の4K撮影に利用しているのですが、最近までやや不満だったのが、撮った映像に感じる微妙なノイズ感でした。

最近、画質調整メニューのディティールという設定を変更したところ、ノイズ感が驚くほど無くなり、気持ちのよいすっきりした映像が撮れるようになりました。

従来、FDR-AX1の定評としては、解像感は高いもののセンサーが小さいせいでS/N比が悪く、画質はそれなりというものだったように思います。しかし、話はそれほど単純なものではありませんでした。

FDR-AX1 画質調整メニュー(1)

FDR-AX1 画質調整メニュー(1)

FDR-AX1 画質調整メニュー(2)

FDR-AX1 画質調整メニュー(2)

上の写真はAX1の画質調整メニューです。調整可能な設定項目は、

・ホワイト
・オフセットホワイト
・ガンマ
・ディティール(レベル)
・スキンディティール(レベル、彩度、色相、幅)
・マトリクス(色の濃さ、色合い)

です。1か月ほど前、ネット上の情報で、ディティールの設定値を変えるとノイズ感が変化するという記事を見つけて、自分でも設定値をいろいろと変えて、テストしてみました。結果として現在は原則、ディティールをマニュアルで-80に設定して撮っています。映像のノイズ感がほとんど気にならなくなり、解像感も過度な輪郭強調が抑えられて、むしろ好ましくなったように感じています。

DETAIL(ディテール)信号とは

上の動画は、デティール -80 で撮影したサンプル動画です。本機はSONY初の4Kハンディカムで、解像感重視のデフォルト設定で世に送り出したのかもしれませんが、本機を購入するユーザー層に対しては、それはあまりよくなかったように思います。デフォルトが上記サンプルのような感じなら、本機に対する評価もかなり変わったのではないでしょうか。

私も最近は4K 60Pが撮れるビデオカメラの新製品が増えてきたことから、買い替えを検討していましたが、FDR-AX1に対する最大の不満が概ね解消したので、現時点での買い替えは見送ることにしました。

FDR-AX1は、

・4K 60Pが撮れる、オールインワンのハンディ機。
・光学20倍ズーム搭載(31.5mm-630mm)で、望遠撮影に強い。
・大口径(72mm径)のレンズに、ズーム、アイリス、フォーカスリングが別々についている。
・メニューを使わずに、ボディの各種スイッチで、すばやく設定変更ができる。
・撮れる映像の諧調が(一般的な家庭用ビデオカメラと比べれば)とても豊かで、品位が高い。
・三脚に乗せた状態でカメラをパンする際の手ブレ補正の挙動がとても自然。
・センサーのサイズが小さいので、被写界深度が深くなり、ピンボケしにくい。
・セッティングが容易で、臨機応変に撮影でき、機動性に優れる。

と、とても使いやすいビデオカメラです。

特に最近のビデオカメラは、多くの製品のレンズが広角側にシフトしているので、4K動画が撮影できて、600mm以上の望遠レンズが付いている本機はとても貴重です。また、カメラをパンする際の手ブレ補正の挙動がとても自然なので、飛行機の離着陸を超望遠でフォーロする際のブレをかなり軽減できます。特に風が強い場合でも、ブレをかなり抑えることができるのは有難い。フィックス(カメラ固定)で撮る場合の手ブレ補正に関しては他社製品も問題ないと思いますが、飛行機の撮影のようにカメラを振り回す場合の手ブレ補正機能の挙動に関しては、個人的には、やはりSONYのビデオカメラが一番安心感があります。このあたり、飛行機の撮影はかなり特殊な分野で、撮影機材選びはなかなか難しいです。

一方、弱点としては、

・暗い場所での撮影には強くない。
・最望遠では、レンズの周辺部分で、パープルフリンジ(コントラスト差が特に大きい場所で発生しやすい紫色のフチ取り)が出る場合がある。
・ボディが大きく、機内のような狭い場所では撮りずらい。
・ボケにくいので、デジタル一眼のようなボケを生かした撮影には向かない。

があります。

私は、機内や夜景の撮影用に、PanasonicのDMC-FZ1000を併用しています。

Panasonic DMC-FZ1000

Panasonic DMC-FZ1000

DMC-FZ1000は、4K動画が撮影可能な、とてもコストパフォーマンスの高い優れた性能のカメラです。なお最近、待望のGH5の発売がアナウンスされたので、FZ1000の後継機として導入するかは、当面の重要な検討課題になっています。

ただ、私の場合、主な被写体は

①旅客機や自衛隊機の離着陸
②空港施設や空港周辺の風景
③航空関連のイベント(空の日イベント、自衛隊基地祭など)
④機内での撮影

です。羽田、成田、伊丹、関西などのトラフィックの多い大空港や、リトライのできないイベントものの撮影では、現地の状況に応じた臨機応変な撮影が求めらます。FDR-AX1のようなオールインワンのハンディ機の方が、撮影失敗や撮り逃しの危険性が少ないので、GH5を導入したとしても、メインの撮影機材がGH5になるということはないでしょう。

追記: FDR-AX1での撮影について

私の場合、日中の撮影だと通常、NDフィルターは2、シャッター速度 1/60秒、アイリス AUTO、ゲイン AUTO(AGCリミット12dbまたは15db)、ホワイトバランス「屋外」、フォーカス MF(置きピン)、手ブレ補正 ON(スタンダード)で撮っています。ゲインを0dbに固定しないのは、離着陸機をフォローしてカメラを180度パンするような場合、最初は逆光・最後は順光のようなケースも多く、アイリス AUTOだけでは1カットの中の一部の場面で、露出アンダーになってしまうことがまま発生するからです。
画質調整に関しては、ガンマはSTD-STD5(ダイナミックレンジが一番広い?)で撮り、最終的な調整は編集ソフト(EDIUS PRO)で行っています。ディテールは上記記載の通り、原則-80に設定するようになりました。

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