【DVD】日本の空港 映像図鑑、10月6日発売

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私が撮影、編集を全面的に手掛けたDVDが、10月6日に発売となりました。タイトルは日本の空港 映像図鑑、発売元はシンフォレストさんです。DVDの詳細については、こちらをご覧下さい。北は北海道から南は沖縄まで、各地方の代表的な空港と、そこに離発着する旅客機の美しい映像を収録しました。BGMと、オン・オフが可能なナレーションが付いており、図鑑としてもイメージビデオとしてもお楽しみいただけるものとなっております。よろしければ是非ともご覧いただきたく、お願い致します。

ここでは、このDVDが発売に至った経緯について、少しお話したいと思います。

このサイト「j-sky」では、私が撮影した旅客機の映像をネット配信していますが、その他にもいくつかの活動を行ってきました。YouTubeがメジャーになる前には、FlightLevel350という海外の飛行機専門の動画配信サイトへ、よく投稿を行っていました。

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FlightLevel350

また、成田空港近くの航空科学博物館では、来館者向けに春と秋の年2回、同じ趣味を持つ方々と一緒に、旅客機を題材としたビデオ上映会を開催してきました。

2008年の春、私がFlightlevel350に投稿した動画を見た英国のプロダクションのAVION社から、「日本の空港のDVDを作りたいので、私が撮影した素材を提供して欲しい」という申し出がありました。光栄なお話だったので、その時点で手元にあった素材をご提供しました。このDVDは2008年の11月に発売となり、その結果、いくばくかの対価をいただくことができました。

これは飛行機のビデオ撮影という趣味で得た資金なので、その使い道は、基本的にこの趣味の充実のために使おうと思いました。その際に思いついたのが、今まで行ったことのない地方の空港への遠征費に充てようというものでした。

私は東京在住で、羽田と成田がホームグラウンドです。どちらも日本を代表する大空港で、被写体としてはとても魅力的だし、就航している航空会社や機材も多岐にわたります。そうした環境にあったので、私はそれまで、撮影のために他の空港に遠征するということは、あまりありませんでした。数少ない例外は、雪の新千歳、聖地と言われる沖縄の下地島、撮影環境がよいことで有名な伊丹などです。

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新千歳空港

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下地島空港

これには時間と遠征費用の問題が大きかったのですが、ここにきて、遠征のための原資を調達することができたというわけです。
こうして2009年以降、今までいったことのなかった空港に精力的に遠征を行いました。遠征先は、旭川、女満別、仙台、富山、セントレア、関西、広島、松山、熊本などです。遠征先の選定にあたっては、日本の各地方毎に最低1か所は遠征する、その空港らしい景色が撮れる空港を選ぶ、の2点を強く意識しました。例えば、北陸なら富山(日本で唯一の河川敷の空港)、四国なら松山(四国最大の空港で、秋に行けば黄金色に輝く海をバックに離陸する飛行機を撮れる)、九州なら熊本(雄大な阿蘇山を望める)といった具合です。

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富山空港

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熊本空港

ところで、今回のDVDの発売元、シンフォレストのプロデューサーの方と初めてお会いしたのは2009年の11月、成田の航空科学博物館でのビデオ上映会(第2回)の時でした。シンフォレストさんは、その頃、成田空港を題材としたオフィシャルDVDを発売されたばかりで、成田空港近くで開催される上映会に関心をお持ちになり、上映会場に足を運んで下さったのです。

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航空科学博物館

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上映会場内での試写の様子

この第2回上映会からは、上映にBlu-rayディスクとハイビジョンプロジェクタを使うようになりました。大画面・高画質の上映となったので、プロデューサーの方にもかなり強い印象が残ったようでした。これと前後して、シンフォレストさんには、私が自主制作したBlu-rayディスクをいくつか進呈しました。それからしばらくして、シンフォレストさんから以下のような打診がありました。

「日本各地の空港を題材とした、映像図鑑を作ることはできませんか?」

シンフォレストさんは、いろいろな分野の映像作品をリリースしていますが、「~図鑑」というのは人気のタイトルで、とても根強い需要があるとのことでした。空港の図鑑となると、映像に字幕やナレーションを交えて、ストーリーに沿って各空港の魅力を紹介するというイメージ。私の方では、「日本の『各地方の代表的な』空港」という条件であれば、なんとか実現できそうな素材が揃いつつありました。ただ、私は本業は会社員で、映像制作のプロではありません。これまで、私がネット配信してきた作品もBGV的なものが多く、ドキュメンタリー的な要素はあまりありませんでした。プロデューサーの方からは、「編集作業もお願いしたい、DVDに収録する空港はなるべく多く、収録時間もできるだけ長く(DVDには最大3時間まで収録可能)」との要望が出されました。それほど長時間のコンテンツを、市販の商品として通用するレベルの編集作業を行った上で、完成させることができるでしょうか。正直言って、当初はかなり不安がありました。

シンフォレストさんと最初の打ち合わせが行われました。この打ち合わせでは、まずこちらから手持ちの素材のご説明を詳しく行い、その上で完成品のイメージや今後の進め方についての検討が行われました。私からは、まずはいくつかの空港で試作品を作ってみることをご提案しました。DVD制作をお引き受けした場合には大きな責任が生じますが、簡単にお引き受けするにはハードルが高すぎるため、こちらとしても慎重にならざるを得なかったからです。
試作品の制作ですが、こちらが編集したものをネット上にアップする、先方が内容を確認して要改善点を指摘する、それを反映した修正版を再度アップする、を繰り返すという形で進みました。自分以外の視点で厳密なチェックが入るというのは初めての経験でしたが、これにより、今回の商品イメージや、求められるクオリティが段々と具体的に分かってきました。

2つの空港の試作品がOKとなったところで、シンフォレストさんと正式に契約。残りの空港の編集作業に入りました。納期ですが、私は基本、週末しか編集作業ができまません。いくつかの空港については、追加の撮影を行いたい気持ちもあり、短納期は守れそうになかったので、こちらの可能なペースで制作し、全て出来た時点で発売するという大胆な(笑)条件にしていただきました。試作品の時と同じように、1空港(1チャプター)できるごとに先方に確認してもらうという形で、編集作業は進みました。作業は長期に及びましたが、この1空港づつ仕上げていくという手順が、長丁場をやり切る上でとても有効だったと思います。

素材の撮影と編集作業は、一貫してハイビジョンで行いました。ハイビジョンでは、ちょっとした画面の揺れやフォーカスのふらつきがとても目立ってしまいます。シンフォレストさんの画質に対する要求水準は高く、編集はシビアな作業になりました。今回の発売形態はDVDですが、これは再生機の普及状況(=商品の売れ行きに直結する)によるもので、いつでもBlu-ray化が可能な状態になっています。

編集完了後は、録音スタジオで、プロのナレーターによるナレーションの録音や、音楽・現場音のミキシング作業に立ち会いました。パッケージデザインでは、素材の写真の一部を準備したり、校正を行ったりして、色々と過去にない経験をすることができました。そうした長い過程を経て「日本の空港 映像図鑑」は完成しました。

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東京広尾の録音スタジオ

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録音スタジオでのナレーションの収録風景

振り返ってみると、「j-sky」というサイトの立ち上げから、AVION社のDVDへの素材提供、その対価を原資とした各地への遠征、さらにその遠征の成果を最大限に活用したシンフォレストさんのDVD制作と、先行投資→その回収→再投資がうまく噛み合って、活動の範囲が大きく広がって来ました。これはとても幸運なことだったと思います。また、今回のDVDの発売により、さらに新たな活動や今まで行ったことのない遠征先の開拓などにチャレンジすることができます。

「日本の空港 映像図鑑」は、ドキュメンタリー的な要素の強いものですが、収録する映像の美しさには出来るだけこだわりました。撮影はもとより、収録する素材の選択や編集作業も全て自分自身の手で行ったので、このDVDの商品化はとても感慨深く、個人的にはエポックメイキングな出来事となりました。

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