広島空港遠征

 11月15日(日)、広島空港に日帰り遠征に行ってきました。熊本、松山、富山、仙台と続いた2009年秋のローカル空港遠征も、おそらくこれが最後となります。

 ここ3ヶ月ほど、各地の空港に遠征を行いましたが、地方別では中国地方だけが未体験で残っていました。中国地方にもいろいろな空港がありますが、その中で最もトラフィックが多く、撮影ポイントも豊富という事前情報で、広島空港を第一候補にしていました。広島空港は、1993年に開港した比較的新しい空港です。立地的には、山間部にあり、標高が331メートルとかなり高いのが特徴です。滑走路は長さ3,000メートルで、方向は10/28(ほぼ東西の方向)です。遠征に行った後で知ったのですが、標高が高いので霧が発生しやすく、冬場は雪が降ることも多いとのこと。

 例によって、前日に翌日の広島の天気予報が晴れマークであることを確認し、11月15日(日)に決行することにしました。東京から広島だと、新幹線では時間がかかり過ぎるので、飛行機を使います。始発便(JALだと羽田発6:55)は予約できたのですが、最終便は既に満席だったので、最終便の一便前(JALだと広島発17:50)を予約しました。あわせてレンタカーも予約しました。

 初めての空港への遠征では、事前の情報収集が欠かせません。今回は、定番の「全国空港ウォッチングガイド」の他に、「ヒコーキ光画館」というサイトの撮影ガイドがとても参考になりました。広島空港に撮影に行きたい方は、事前にお読みになることを強くお勧めします。その結果、広島空港は脚立不要の撮影ポイントが豊富と判断し、ビデオカメラと三脚だけを持っていくことにしました。

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 出発当日の羽田はほぼ快晴で、朝日がとてもきれいでした。思わず、羽田か成田に行き先を変更しようかと思ったくらいでした。

 羽田発6:55のJAL B767は、ほぼ定刻に出発。今回の席は、窓際が予約できなかったので通路側。なので、機内ではもっぱら現地での撮影プランを再チェックしながら、遠目に外の景色を眺めていました。広島空港が近づくにつれて、だんだんといやな予感がしてきました。窓の外は雲が増えてきて、地上の景色がどんどん見えなくなってきたからです。そのうち、機内アナウンスが入りました。「広島空港の天候は曇り、気温は8℃です」とのこと。曇りって、予報と違うじゃない・・(泣)。しかも8℃って、いくらなんでも寒すぎやしませんか?

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 8:30頃、ほぼ定刻に広島空港に到着。天気は確かに曇りで、いかにも寒々とした空が広がっています。最近の遠征で、ここまで予報と違う天気は初めてです。ただ、曇り空とはいっても雲には量感があり、明るいところも暗いところもある変化に富んだ空です。これはこれで、それなりの絵は撮れそうだと、自らをなぐさめました。次の便の離発着まで少し時間があるので、まずはレンタカーを受け取り、その後、再度ターミナルビルに引き返しました。

 下の写真は広島空港の地図です(クリックすると拡大表示になります)。A~Eは、今回の遠征で撮影を行ったポイントです。

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 最初の撮影ポイントは、ターミナルビルの展望デッキ(A地点)です。

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 広島空港の展望デッキは、ターミナルビルの3階にあります。入場料は大人100円ですが、この日は無料開放されていました。

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 フェンスは、ところどころ小さなカメラ用の穴が開いているタイプで、撮影環境としてはいまいちです。

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 とはいえ仕方が無いので、そこから2機ほど、出発機のプッシュバックを撮影しました。展望デッキの中央付近には、フェンスではなく、ガラスかプラスチックかの壁が設置されている部分もありましたが、あまりきれいでは無かったので、そこは使いませんでした。ここでは、9:20頃に撮影を終了。
 次の撮影ポイントは、森林公園の中の「ピクニック広場」です(B地点)。広島空港の周囲は広島県立中央森林公園になっていて、市民の憩いの場になっています。

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 ピクニック広場は、滑走路の28エンド寄りの北側にあります。広場の近くの駐車場までは車で行くことができますが、その後は上り坂を少し歩かなければなりません。公園の中は、木々が紅葉していて美しい。曇り空でなければ、さらに美しいのにと思うと残念でした。

 ピクニック広場に着くと、ものすごく違和感のある光景が広がっていました。広場では、何組かの子供連れが楽しそうに遊んでいます。広場の向こうには、滑走路が見えます。でも、空港につきもののフェンスが見えません。まるで、空港の敷地内に広場があって、滑走路まで歩いていけるかのような・・。「そんなことは、あり得ないだろう」と滑走路に近づいていくと、理由がわかりました。

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 広場は高台になっていて、フェンスは広場よりも低いところにあるために、フェンスがないかのように見えたのです。それにしても、誘導路までの距離が近い。

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 今日の風向きは北西でやや強めのため、離着陸は28エンドから行われています。誘導路を28エンドに向かう離陸機は、まさに目の前を通り過ぎるような感じになります。

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 滑走路は誘導路の向こう側にあり、離陸機はこのように見えます。逆光とはいうものの、このすばらしい飛行機ウォッチング環境には驚いてしまいました。一方で、天候の方はというと、曇り空で風が冷たく、真冬並みの寒さです。まさかこれほど寒いとは思っていなかったので、軽装で広島に来てしまったことをひどく後悔しました。ここでは、11:10頃まで撮影。

 第三の撮影ポイントは、28エンド北側から東側の公園エリア一帯です(C地点)。ここに行くには、「運動公園」の駐車場から28エンド方向へしばらく歩く必要があります。平地だけでなく丘陵地帯もある変化に富んだ場所で、歩いていくと、だんだんと28エンドが見えてきます。

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 しかし、滑走路や誘導灯が見えてきても、フェンスが見あたりません。

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 ここも先ほどのピクニック広場と同様に、公園部分がフェンスよりも一段高くなっているからで、空港の敷地と公園がまるで区別なく存在しているかのようです。最初、この場所を目にした時は、日本にもこんな場所があるんだと(大袈裟か?)、ちょっと感動してしまいました。

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 ここでは、28エンドへの着陸機はもちろんですが、

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28エンドからの離陸機が滑走路に向かうところを、誘導路の正面から撮影することが出来ます。いわばエリア一帯が撮影ポイントなので、ポジションを移動することで、いろいろなアングルから離着陸機を狙えます。近くには小高い山や丘陵地帯があり、それらの上の方に上っていけば、着陸機を俯瞰気味に撮ることもできると思います。伊丹空港の周辺に整備された公園もなかなか凄いと思いましたが、この森林公園もそれに匹敵すると思いました。

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 撮影を始めてしばらくすると、北の空にはだんだんと青空が見え始め、たまに日の光も差し込むようになりました。これは午後の撮影が期待できそうです。ここでは、12:15頃に撮影を終了。

 第四の撮影ポイントは、28エンドの南側の高台です(D地点)。私はここに行くのに、28エンド北側の公園エリア(C地点)から、空港のフェンスに沿って、南側に回り込みました。フェンス際はかなり狭い場所もあるので、このルートで行く際には十分に注意して下さい。私は試していませんが、滑走路南側のサイクリングロードから上っていくルートもあるようです。

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 ここからの展望も素晴らしく、左手の方向には遠くターミナルビル周辺も見えます。

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 28エンドへの着陸機、28エンドからの離陸機を、終日順光で撮影できます。ここに着くころには、かなり青空が広がり、日の光が差し込む時間も長くなりました。視程は良好なので、日が差し込むと、飛行機や周囲の景色をとても美しく撮影できました。気温もやや上がってきて、寒さが薄らぎ、助かりました。ここでは、13:40頃まで撮影。

 第五の撮影ポイントは、滑走路の南側、ターミナルビルの正面付近です(E地点)。

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 ここにもちょっとした丘のようなところがあって、脚立を使わずにフェンスの上から撮影が出来ます。

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 この日の離着陸は全て28エンドからでしたが、10エンド、28エンド、どちらからの離着陸機にも対応でき、かつ終日順光です。滑走路まで近いので、かなり迫力のあるシーンが狙えます。

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 ただ、滑走路が周囲より少し高くなっているようで、ターミナル前に駐機している機体は、滑走路に遮られて下のほうが見えません。B737やCRJのような小型機だと、機体の下半分が隠れてしまいます。ここへの行き方は、初めに紹介したヒコーキ光画館の撮影ガイドに詳しく書かれているので、行ってみたい人はぜひそちらをお読みください。私も、その撮影ガイドのおかげで、初めてでも迷うことなく到達することができました。ここでは、15:50に撮影を終了。撮影できる残り時間も少なくなってきました。

 帰りの飛行機は17:50発なので、17:00前後が撮影のリミットです。夕焼け空をバックした絵を期待して、最後にもう一度、28エンドの北側に行ってみることにしました。実は、森林公園自体も閉園時刻が17:00なので、いずれにしろ、それ以上撮影を続けることはできません。16:30頃、28エンドに到着しましたが、もう辺りには誰もいない状態でした。

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 16:35発の羽田行きANA B777の離陸を撮影し終わったのが16:50でした。広島は東京よりも日が長く、この時間でもまだ完全に日没という感じにはなりませんでした。これをもって、広島空港での撮影はすべて終了となりました。

 帰りの便は、17:50発のJAL便、機材はMD-90でした。MD-90に乗ったのは、これが初めてです。年季の入った機体だろうと思って乗ったのですが、内装はとてもきれいでした。MD-90はそう遠くない時期に退役してしまいそうなので、今回乗ることができてとてもラッキーでした。

 広島空港は、トラフィックも多く、国際線もあり、B777のような大型機も就航しています。周囲は公園に囲まれており、その公園自体が素晴らしい撮影ポイントになっています。空港は高台にあるので、周囲の風景という意味ではあまり特徴的なものは無いかもしれませんが、一見するとフェンスが存在しないかのように整備された公園と、そこから空港を眺めたときの見晴らしの良さには、感動的なものがありました。また、私はトライできませんでしたが、滑走路の先には鉄橋のような進入灯が延びているので、これと飛行機を絡めた絵も魅力的です。今回は日帰りだったので、存在する撮影ポイントの一部しか回れませんでしたが、広島空港の魅力の一端は十分に感じることができました。

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