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Canon EOS 70D

  • 2013-08-04 (日)
  • DSLR

ESO-70D
Canon EOS 70D

 Canonから、EOS 70Dが発売になります。発売日は8月29日とのこと。動画撮影用としては、デュアルピクセルCMOS AF搭載により、動画撮影時のオートフォーカスが、USMのレンズ(Lレンズ、いわゆる白レンズなど)でもかなり使えるようになったらしいという点が注目されます。

 1920×1080だと30Pでしか撮れないなど、70Dは動画撮影用としては中途半端感が否めませんが、今後のCanonに希望が持てそうな新製品&新技術でした。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(3)

  • 2013-03-27 (水)
  • DSLR

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成田空港での旅客機の着陸シーン

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成田空港A滑走路のランウェイ34Lエンドの地図

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

 Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCN の使い方とその有効性を、具体的な例でご説明しましょう。成田空港A滑走路のランウェイ34Lエンドで、着陸機を撮影するとします。着陸機は遠くから近づいてきて、至近距離を通過し、滑走路上にタッチダウンします。最も接近するところでは、撮影場所から着陸機までの距離は約150m。タッチダウン地点までは約1,000mです。この時は、フォーカスリモコンでフォーカスが動く範囲を150mから1,000mに設定します。この「設定します」というのは具体的には、まず、EFレンズのスイッチをMF(マニュアルフォーカス)にします。撮影場所から150m離れたところにあるものにマニュアルでフォーカスを合わせて、リモコン上のボタン①を長押しします。すると、1つ目のフォーカス位置がリモコンに記憶されます。次に、1,000m離れたところにある別のものにフォーカスを合わせて、ボタン②を長押しします。これで、2つ目のフォーカス位置がリモコンに記憶されます。リモコンのフォーカス・ノブを左右に動かすと、フォーカスは1つ目と2つ目の位置の間を、あらかじめ設定した速さで移動します。

 撮影開始時(遠くから着陸機が接近してくる)は、フォーカス・ノブの操作でフォーカス位置を1,000mにセット、目の前を通過する際には150mに動かし、通過したらまた1,000mに戻します。ノブの操作は左右どちらかに押し続けるだけでよく、長く押し続けても、フォーカスが事前に設定した範囲を超えて行きすぎたり、戻りすぎたりしないというところが、とても重要なポイントです。これにより、実際の撮影現場でも簡単に、明るくても暗くてもジャストフォーカス(正確には被写界深度内)を維持しながら高速で移動する着陸機を撮影できます。夕暮れから夜にかけてでも撮影可能という点では、ビデオカメラのオートフォーカスよりもむしろ信頼性が高いと言えます。

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夜の出発機のプッシュバック

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羽田空港の第1ターミナル展望デッキの地図

 もう一つの例をご紹介しましょう。羽田空港の第1ターミナル展望デッキで、夜、出発機のプッシュバックを撮影するとします。この場合、展望デッキから出発前の旅客機のコックピットまでは約50m、プッシュバック後の旅客機までの距離は約250m(または200m)です。70-200mm/F2.8のズームレンズで、テレ端・絞り開放にして50m先の被写体(=出発前の旅客機のコックピット)にフォーカスを合わせた場合、APS-CのEOSでは被写界深度はわずか8mほどしかなく、フォーカス送りをしないと、プッシュバックしていくうちにどんどんピンボケしていきます。この場合は、フォーカスリモコンでフォーカスが動く範囲を50mから250m(または200m)に設定し、その範囲内で少しずつフォーカス送りをしながら撮影します。
 動体といっても旅客機の場合、その動きは規則的なので、このフォーカスリモコンを最大限に活用できます。同様のことは鉄道やサーキットについても言えるのではないかと思います。反面、軍用機(エアショーなど)やスポーツの動画撮影は相変わらず厳しいでしょう・・・。

 Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCNは、今では国内でも入手できますが、2012年6月時点では(=私がEOS導入の可能性を検討していた時期)新発売になった直後で、まだ海外でしか販売されていませんでした。7月中旬に予定されていたセントレアでの撮影(特に夜間)で使用できるかどうかを早急に確かめる必要があり、わざわざ米国から個人輸入までして事前テストを行いましたが、その結果「これなら撮れる」と分かったので、EOS Movieの本格導入を決めた次第です。逆に言えば、このリモコンが存在しなければ、EOSの導入もありませんでした。

 このフォーカスリモコンを効果的に使えば、特定の被写体については動体であっても撮影は容易という話で、私がEOSを使って旅客機の動画撮影を気軽に楽しめているのにはタネも仕掛けもあるのですが、同種の機能を持った製品は、今のところ他にはないと思います。私の経験では、はっきり言って、これなしではCanonのEOSを使った旅客機の動画撮影は現実的ではありません。被写体の横の動きについてはある程度は対応できても、前後の動きには対応できないからです。特に夕暮れ以降、超望遠での撮影でF値を下げざるを得なくなると、被写界深度がとても浅くなり、ピンボケさせずに機体の動きをフォローすることがとても困難になります。もし、CanonのEOSのカメラやEFレンズ群の資産をお持ちの方で、旅客機の写真撮影に加えて、動画撮影も本格的にしてみたいという方がいたら、上記のリモコンを入手されることを強くお薦めします。

(注意事項)
 MVR911ECCN は、カタログ上では EOS 5D Mark III、EOS 5D Mark II、EOS 1D Mark IV、EOS 7D、EOS 60D、EOS 600D/Rebel T3i/Kiss X5、EOS 550D/Rebel T2i/Kiss X4、EOS 500D/Rebel T1i/Kiss X3 で使用可能となっていますが、私が試したところでは EOS Kiss X6i でも使用できました。レンズに関しては、EF-S 17-55mm F2.8 IS USM、EF 70-200mm F2.8L IS II USM、EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM のフォーカス制御はできましたが、EF-S18-135mm IS STM のフォーカス制御はできませんでした。STM のレンズは、現時点では使用不可の可能性が高いので、注意してください。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(2)

  • 2013-03-22 (金)
  • DSLR

 デジタル一眼レフでの動画撮影は、NikonのD90に始まり、CanonのEOS 5D Mark IIで大きな反響を得るに至りました。デジタル一眼レフは、大きなセンサーと高性能のレンズにより高画質の動画を撮影できますが、マニュアルフォーカス、マニュアル露出が基本です。特にフォーカスに関しては、センサーが大きいために被写界深度が浅くなり、厳密なフォーカス合わせが必要になります。そのため、飛行機や鉄道などの動体(動く被写体)の撮影は困難と思われてきましたし、現在もそう思っている人は多いと思います。私は2012年の6月にCanonのEOSを使い始めましたが、その時までは全く同様の考えでした。例えば、デジタル一眼レフで飛行機の動画を撮影する場合、移動する飛行機を、高い精度のマニュアルフォーカスで追い続けなければならないからです。

 デジタル一眼レフで動画を撮影する場合、プロの多くは、カメラにフォローフォーカスという機器を取り付けて、フォーカスをマニュアル操作しながら撮影しています。

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動画撮影用のフォローフォーカスの例

 写真撮影用のレンズは、フォーカスリングの回転角度が小さすぎて、それを動画撮影中に手で回してフォーカス合わせしながら撮影するというのは非現実的です。この機器を使うと、大きなダイアルを手で回すことにより、フォーカスの微調整を行うことができます。映画の撮影の場合、フォーカス操作は、カメラマンとは別のフォーカスマンが行うことが多いようですが、私が旅客機を撮影する場合は、当然のことながらワンマンオぺレーションです(笑)。離着陸機を撮影する場合、超望遠で安定したカメラワークを行うこと自体が難しいため、上の写真のようなフォローフォーカスであっても、操作しながらの撮影は事実上不可能です。デジタル一眼レフの導入検討時、動体の撮影方法についてプロのカメラマンの方とディスカッションさせていただいたのですが、この点は同意見でした。

 ちなみに、ビデオカメラでも夕暮れから夜にかけてはオートフォーカスが効かなくなるので、マニュアルフォーカスで撮らざるを得ません。家庭用ビデオカメラ(例えばSONYのXR520V)では、マニュアルでのフォーカス送りは現実的ではありません。一般的なビデオカメラはセンサーのサイズが小さく、2/3インチ、1/3インチ、あるいはそれ以下です(ちなみに、XR520Vの場合は1/2.88インチ)。センサーが小さいと被写界深度が深くなるため、構造的にはピンボケしにくいのですが、実際にフォーカス固定で旅客機の動きを望遠で追ってみると、ハイビジョンでは旅客機が動くにつれてピンボケしていくのが分かってしまいます。

 デジタル一眼レフの場合、センサーのサイズはビデオカメラよりもはるかに大きく、被写界深度は相対的に浅くなり、フォーカスの精度はよりシビアになります。高速で動く旅客機を、マニュアルフォーカスで追い続ける実用的な方法がないと、デジタル一眼レフでの動画撮影はできません。言い換えるなら、その方法さえあれば、撮影は特に難しものではなくなるということです。

 私がデジタル一眼レフを導入する際、NikonでもSONYでもなく、Canonを選んだのには大きな理由があります。それは、前回ご紹介した下記のデバイスがCanonにのみ存在したからです。

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

 これは、2012年の6月(=私がEOSを使い始めた時)に、Manfrottoから発売されたCanonのEOS専用のフォーカスリモコン MVR911ECCN です。EOSとUSB接続すると、リモコンのノブを動かすことにより、EFレンズのフォーカスを操作することができます。この製品の優れているところは、三つあります。

 一つ目は、ビデオ用運台のパン棒に取り付けて操作できるため、離着陸機をフォローしながらのフォーカス操作が容易にできることです。二つ目は、設定により、フォーカスを動かすスピードを速くしたり遅くしたりできることです。三つ目は、これが最も重要なことなのですが、ノブの操作の際、フォーカスが動く範囲を事前に設定した2点間に限定できることです。これにより、フォーカスが行きすぎたり、戻りすぎたりすることを確実に防止することができます。

 その他の機能としては、
 ・動画撮影のスタート、ストップ
 ・MFフォーカスアシスト
 (マニュアルで厳密なフォーカス合わせをするために、画面を5倍、10倍に拡大表示する)
 ・ワンプッシュAF
 ・ライブビュー表示のON/OFF
がボタンひとつで操作できます。これらも、動画撮影時の操作性を著しく向上させます。

 次回は、具体的な撮影シーンを例にとって、その使用法をご紹介したいと思います。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(1)

  • 2013-03-19 (火)
  • DSLR

 6月に、とある航空分野の公共施設でビデオ上映会を行うことになりました。そのための撮影・編集作業を始めたので、必然的にその間は、その他の作品作りをする余裕はなくなってしまいました。6月の上映会は、ハイビジョンプロジェクタを使って大きなスクリーンに映写するため、ここ半年強で撮りためた高画質のEOS Movieのストックをできるだけ使いたいと思っていますが、さらに追加撮影も必要になるでしょう。

 このような状況により、しばらく新作公開は難しいため、代わりと言ってはなんですが、デジタル一眼レフでの動画撮影ノウハウを少しご紹介したいと思います。もっとも、一般的なノウハウは既に十分に出回っているので、活用できる人が極めて限られる(かもしれない)、とてもニッチな用途のノウハウです(笑)。

 私が、CanonのEOSで旅客機などの動体を撮影する場合に、もっとも重要なアイテムとして愛用しているのが、Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCN です。(メーカーの商品説明ページ

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

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リモコンを装着したところ

 実売価格で30,000円前後と、決してお安い製品ではないのですが、私にとってはカメラ本体やレンズ、ビデオ三脚と同じくらい重要なアイテムです。商品説明を読めば、勘のいい方であればその理由は既に分かってしまったかもしれませんが、次回はその機能や有効性について、ご紹介したいと思います。

EOS Movie のサンプル映像

  • 2013-03-01 (金)
  • DSLR

 ここ数週間ほど、過去半年ぐらいかけて撮りためた動画素材の整理をしています。EOS Movie のストックが増えて、ハードディスクの空きスペースが不足気味になったからなのですが、やはり増設は避けられそうにありません。EOS Movie は、家庭用ビデオカメラで一般的なAVCHDよりもビットレートが高く、ファイルサイズが大きくなるため、ディスクの減りも早くなります。

 前回の記事で、SONY HDR-AX2000 と EOS Movie との比較映像をご紹介しましたが、追加として、それらのストックの中から、いろいろなシチュエーションで撮った EOS Movie のサンプルをご紹介します。撮影場所は、成田空港です。

 撮影に使用した機材は、
 ・Canon EOS Kiss X6i
 ・EF-S 17-55mm F2.8 IS USM
 ・EF 70-200mm F2.8L IS II USM
 ・EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM
です。

SONY HDR-AX2000 と EOS Movie との比較映像

 少し前の記事で、SONY HDR-AX2000 というビデオカメラのサンプル映像をご紹介しましたが、このカメラと EOS Movie との比較映像を作ってみました。

 撮影場所は、成田空港 B滑走路 の16Lエンドにある展望台です。二つのカットは、別の日に撮影したものですが、ほぼ同じ時間帯のものです。HDR-AX2000は、絞り優先オート(F5.6)、オートフォーカスで撮影。EOS Movie(Canon EOS Kiss X6i + EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM)はフル・マニュアル で撮影しました。
 EOS Kiss X6i のカットは、ピクチャースタイル=スタンダードで撮影したため、コントラストが強めで色調もビビッドすぎるきらいがあり、本当はもう少し抑え目のトーンが望ましいと思いますが、非常に鮮明で解像感が高い。Canon の L レンズのキレの良さには、素晴らしいものがあります。ただし、このキレの良さは、精密なフォーカス合わせが前提となります。ご紹介したカットですが、

AX2000-VS-EOS-S-1
 冒頭の部分は被写体までの距離が約3,000m。

AX2000-VS-EOS-S-2
 最後の部分は被写体までの距離が約300mです。

 このカットは、600mm(35mm換算)の望遠で撮影しています。単純な置きピンでは両方を被写界深度内に入れることはできないので、被写体の動きに合わせてカメラをパンしつつ、マニュアルでフォーカス送りをしないと、ピンボケになってしまいます。写真用のズームレンズでこれを苦もなくできるようになるには、ある程度の反復練習が必要ですが、そこをクリアしてしまえば撮影がとても楽しくなります。

AX2000-VS-EOS-S

 AX2000のカットは、一般の家庭用のビデオカメラと比べれば映像品位はとても高いのですが、L レンズを使用したEOS Movie との比較となると、先鋭感は今一つで、被写体のエッジ部分の色の滲み(色収差)も気になるという結果になりました。

デジタル一眼レフでの飛行機の動画撮影(2)

  • 2012-11-28 (水)
  • DSLR

 暗所での動画撮影におけるデジタル一眼レフの優位性に関しては、既にいろいろなところで言われていますが、実証の意味でサンプルを作ってみました。

 使用したビデオカメラ(HDR-XR520V)は、家庭用のビデオカメラとしては暗さに強い機種で、特にワイドでの撮影ではかなり健闘しています。とはいえ、デジタル一眼レフ(EOS Kiss X6i + EF 70-200mm F2.8L IS II USM)の映像は、鮮明さや黒のしまり具合、発色などの点でかなり上回っています。フルサイズセンサーの EOS 5D Mark III などを使えば、さらに明るく美しく撮れると思います。

 前回の記事では日中、今回は夜間の動画サンプルをご紹介しましたが、どのように感じられたでしょうか? ビデオカメラ(HDR-XR520V)もデジタル一眼レフ(EOS Kiss X6i)も、同じ場所で同じような時間帯に撮ったものです。画質に関しては、YouTube にアップした段階でかなり劣化していますが、デジタル一眼レフの発色の良さ、階調の豊かさ、薄い霧が晴れたような(レンズの)キレの良さを、それなりに感じていただけたのではないかと思います。

 ただ、両者の機材の価格は、同じではありません。カメラ本体の価格は大きくは変わりませんが、デジタル一眼レフで使用したレンズ(EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM や EF 70-200mm F2.8L IS USM)は、カメラ本体の価格を大きく上回ります。旅客機の撮影には性能の良い望遠レンズが必要になりますが、これらは総じてとても高価です。

 動画撮影用としてのデジタル一眼レフは、価格(レンズを含む)や操作性から考えて、業務用のビデオカメラや映画撮影用のカメラと比較すべきものだと思います。映画やCMの撮影に使える機材としては低価格で手に入るために、プロの間では注目され、既に広範囲で使われていますが、家庭用ビデオカメラの代替機として考えるのは不適切です。例えば、上のような YouTube で公開する動画の撮影用であれば、アップロード時に圧縮がかかるせいで画質が劣化してしまうので、元動画に過剰な高画質を求めることは意味がなく、コストパフォーマンスが見合わないでしょう。デジタル一眼レフでの動体(飛行機など)の撮影は特に難しく、画質追求に対するモチベーションが高くないと、扱い難さに対する不満ばかりが募ると思います。

 一方、市販されている映画やドラマ、環境映像などのブルーレイディスクに匹敵する画質を求めるのであれば、とても魅力的な選択肢です。操作性の悪さは人間が補う必要がありますが(笑)。

 さて、私が使用しているデジタル一眼レフ(EOS Kiss X6i)を、一般的なビデオカメラ(HDR-XR520V)と比較すると、以下のような点が異なります。

(1) オートによる動画撮影(シャッタースピード、絞り、ISO感度をカメラ任せにする)は、映像の明るさ(露出)が滑らかに変化しないため使えない。
(2) 動画撮影時のオートフォーカスは、遅くて精度も悪いので使えない。
(3) マニュアルフォーカスでズームする(画角を変える)と、フォーカスがずれる。
(4) 電動ズームはない。
(5) レンズ交換ができる/レンズ交換をしなければならない。
(6) 機材が増える/かさばる/重くなる。
(7) 大容量のバッテリーがないので、頻繁に交換が必要。
(8) 解像度1920×1080(いわゆるフルハイビジョン)だと、24Pや30Pでの撮影はできるが、60iや60Pでは撮影できない。

 これらに対して、私がここ数カ月ほどで実感したことをお伝えすると、

 (1)に関しては、慣れるのにそれほど時間はかかりませんでした。(2)に関しては、被写体が動体(旅客機)の場合、マニュアルフォーカスでの撮影は決して簡単ではありませんが、なんとか対応できるようになりました。もっとも最初はピンボケ映像を量産しましたが・・・(笑)。(3)(4)に関しては、映画的な撮影スタイルを志向する人であれば、あまり問題はないと思います。一般的なビデオカメラによる、臨機応変な撮影スタイルを好む人にはお薦めできません。(5)は、現場でのレンズ交換が時間的、環境的に難しい場合は、サブカメラを用意して対応。(6)は、国内であれば(撮影ポイントの移動に車が使えるので)通常は問題ありませんが、海外や、国内でも徒歩でしかアクセスできない場所の場合は、機材をできるだけ絞り込むなどの対策が必要になるでしょう。先日、シンガポールで撮影を行ったのですが、機材を担いでの移動はなかなかハードでした(笑)。(7)は一日中、朝から晩まで撮影する場合に備えて、6個のバッテリーを準備しています。(8)は、現在までのところ特に問題を感じていません。

 (3)に関しては、1カットの中でのズームアップ/ズームダウンが事実上できない、(4)に関しては、写真用のレンズだと滑らかなズーム操作が困難なため、私のように大きな障害とは感じないという人もいれば、撮影スタイルによっては致命的な欠陥と感じる人もいるでしょう。別の見方としては、ルーク・オザワさん的な(情景的な)動画を撮影したい人にとっては格好のツール、伊藤 久巳さん的な(機体の迫力を重視した)動画を撮影したい人にとってはハードルの高いツールだと思います。

 上で映画的な撮影スタイルと述べたのは、

(a) カットの積み重ねで作品作りをする。
(b) 極端にいえば、ストーリーボード(絵コンテ)に従って、必要なカットを、あらかじめ検討しておいた方法で撮影する。
(c) ズームアップ/ズームダウンは、ほとんど使わない。

という意味合いです。

 もし手元に映画のDVDがあれば、ストーリーを追うのではなく、各カットのカメラワークやカットつなぎに注目して分析的に見てもらうとわかるのですが、映画ではズームアップ/ズームダウンはほとんど使われません(カメラ自体が動くトラックアップ/トラックバック、クレーンによる移動撮影はよく使われています)。映画撮影用のカメラには、そもそも電動ズームは付いていません。なので、映画的な映像を撮りたいプロフェッショナルにとっては、マニュアル撮影は当たり前、撮影中のズームはめったに使わない、カメラやレンズが(映画撮影用と比べれば)安い割に優秀、美しいボケ味(浅い被写界深度)が魅力的・・ということで、デジタル一眼レフでの動画撮影がスムーズに受け入れられたのだと思います。

 私は少し前から、自分で撮影したものをブルーレイディスクにして家の大型液晶テレビで見ると、市販のブルーレイディスクの映像と比べて、映像のキレの無さをとても残念に感じるようになっていました。これを改善できるのであれば、多少の制約事項は許容範囲だと感じています。所詮は趣味の世界の話なので、自己満足できることが最優先です(笑)。デジタル一眼レフの映像を体験してしまうと、特段の理由がない限りは、家庭用ビデオカメラでの撮影に戻ることは考えられなくなりました。ただ、空港やその周囲での撮影は、往々にして本格的な機材を使いずらい場合があります。そのため、従来のコンパクトなビデオカメラが不要になることは決してありません。

 今回は、私の使っているCanon の EOS の使用感に関するお話でしたが、動画の高画質追求であれば、別の選択肢も考えられます。これに関しては、また別途取り上げてみたいと思います。

デジタル一眼レフでの飛行機の動画撮影(1)

  • 2012-11-24 (土)
  • DSLR

 前回の記事で、ビデオカメラとデジタル一眼レフとで旅客機を撮影した動画のサンプルをご紹介しました。今回は、デジタル一眼レフで旅客機の動画を撮影する場合の注意点などをお話してみたいと思います。

 前回でもご紹介した上のサンプルですが、ビデオカメラ(HDR-XR520V)の動画はオートで撮影したものです。一方、デジタル一眼レフ(EOS Kiss X6i)の動画はフル・マニュアルで撮影しました。

 デジタル一眼レフで動画を撮影する場合、基本的にはマニュアル撮影を行う必要があります。シャッタースピード、絞り、ISO感度、フォーカスは、全てマニュアルで設定します。何故そうしなければならないのかという点については、
 デジタルムービー実践ガイドブック(玄光社MOOK)
 デジイチ動画レンズワークガイドブック
などの書籍に詳しく解説されていますので、本格的にデジタル一眼レフでの動画撮影に取り組みたいと考える方は、一読をお薦めします。

 ところで、私が現在使用している機材ですが、カメラ本体は既に述べた通り

 Canon EOS Kiss X6i

 レンズは、

 (1) EF-S 17-55mm F2.8 IS USM
 (2) EF 70-200mm F2.8L IS II USM
 (3) EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM
 (4) EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM

です。(1)(2)(3)のレンズは高価ですが、画質はとても良好です。(4)(カメラとセットで販売されているレンズ)の画質とは明らかに違うので、(4)は通常は使用していません。EOS Kiss X6i は 撮像素子のサイズがAPS-Cで、望遠に強いタイプの機種です。EOSシリーズの入門機ですが、動画撮影に限って言えば性能面でほとんど問題がありません。EOSムービーの画質は本体よりもレンズで決まると思っているので、レンズに積極的に投資をしました。また当然のことながら、これらのレンズは写真の撮影用としても価値の高いものです。

 さて、デジタル一眼レフでの動画撮影の場合、日中は原則としては

・シャッタースピードは1/60秒に固定
・ISO感度は最低値(EOS Kiss X6i の場合は100)に固定
・適正露出は絞り(+NDフィルタ)で調整

で撮影します。フォーカスも、マニュアルフォーカスで撮影します。被写体が旅客機の場合、パンフォーカス(手前から奥までピントが合っている)で撮影したい場合が多いのですが、シャッタースピード1/60秒、ISO感度100の場合、晴天の日中だと絞り値はF16~22になるので、被写界深度はかなり深くなります。夕方から夜にかけては、できるだけ明るいレンズを使い、ISO感度を上げる、シャッタースピードを落とす(ただし1/30秒まで)ことで対応します。

 上のサンプル動画では、旅客機の着陸前と着陸後では被写体や背景の明るさがかなり異なります。旅客機の動きをフォローする場合、このように1カットの中で明るさが大きく変わるケースも多いのですが、1カットの途中で絞り値を変更することは原則として行いません。1カット全体を通して破綻しないように絞り値を決めるのは、それなりに注意を要する作業です。

 デジタル一眼レフは、ビデオカメラよりも撮像素子が大きく画質面で有利ですが、フォーカス合わせはとてもシビアになります。旅客機は高速で動くので、マニュアルフォーカスで撮影するためには、被写界深度を考慮しつつ撮影時の状況に応じて、素早く精密なフォーカス合わせをする必要があります。ここが、旅客機のような動体の撮影でもっとも難しく、かつ重要なポイントです。

 デジタル一眼レフのズームレンズは、ズームを動かすとフォーカスがずれるので、画角を変えたら毎回フォーカスを合わせ直す必要があります。オートフォーカスが使えない場合、これは事実上、動画撮影中のズームアップ/ダウンはできないことを意味します。EOS Kiss X6i では、一部のズームレンズ(例えば上記の(4)のレンズ)で動画撮影時にオートフォーカスがそれなりに使えますが、とはいっても精度はあまり高くありません。(1)(2)(3)などの高性能なレンズでは、動画撮影時のオートフォーカスは遅くて精度がさらに悪く、全く使えません。これらはEOSシリーズを使った動画撮影の、現時点での制約事項です。

 旅客機の撮影では、望遠レンズを使うことが多いので、安定した映像を撮るために手振れ補正機能が役立ちます。Canonのズームレンズの手振れ補正機能は、動画撮影時も有効で、フィーリングも良好です。

 オートで手軽に撮影というわけにはいかないデジタル一眼レフでの動画撮影ですが、特に高性能のレンズを使った場合の画質は、とても素晴らしいものがあると感じています。決して扱いやすい機材ではないのですが、劇場公開用の映画やCM、歌手のプロモーションビデオなどの撮影に使えるレベルの機材を個人で扱えるというのはとても魅力的です。動体(旅客機)のマニュアル撮影にも大分慣れてきたので、今後の主力機材として活用していくつもりです。

ビデオカメラとデジタル一眼レフの比較映像

  • 2012-11-24 (土)
  • DSLR

 同じようなシチュエーションで撮影した、ビデオカメラとデジタル一眼レフの動画の比較映像を作ってみました。撮影場所は、成田空港のB滑走路16Lエンド近くにある展望台です。

ビデオカメラ:
 SONY HDR-XR520V + VCL-HG2037Y(テレコン)

デジタル一眼レフ:
 Canon EOS Kiss X6i + EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM

新しい撮影機材(DSLR)の紹介

  • 2012-08-18 (土)
  • DSLR

 前々回前回の記事で、新しい機材で撮影したサンプル映像をご紹介しましたが、それらはデジタル一眼レフ(DSLR)で撮影しました。いわゆるCanonのEOS MOVIEです。

DSLR-20120804.jpg

  DSLR導入の動機は、動画の画質の抜本的な改善です。導入して日が浅いので、まだまだ使いこなせているとは言い難い状況ですが、従来の撮影機材と合わせて、今後の作品作りに生かしていくつもりです。

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