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2013-03

デジタルシネマカメラの新機材(1)

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玄光社のムック「デジタルシネマカメラ完全攻略

 過去3回の記事で、CanonのEOSを使った動体の動画撮影ノウハウに関してご紹介しました。CanonのEOSは、一般的にはデジタル一眼レフと呼ばれるカテゴリーのカメラですが、私にとっては超望遠撮影が可能なラージセンサーのムービーカメラ(=デジタルシネマカメラ)です。なぜラージセンサーのカメラにこだわったかといえば、家庭用ビデオカメラに代表されるスモールセンサーのカメラの画質に満足できなくなってしまったからで、自分が撮影する動画の画質を抜本的に改善したいと思ったからです。

 私のカメラの用途は、もっぱら空港での旅客機の動画撮影です。使用するカメラは「高速で動く被写体の超望遠撮影ができること」というのが必須条件になりますが、これができるラージセンサーのカメラは、コスト面も含めて考えると、選択肢が極めて限られます。私がCanonのEOSを使い始めたのは2012年の6月ですが、その当時、選択可能な製品は事実上CanonのEOSしかありませんでした。

 しかしながら、ラージセンサーのムービーカメラ(=デジタルシネマカメラ)は日進月歩の状況にあり、現在はもっと良い選択肢があります。少し前にいくつかのカメラの撮影テストをして、業務用ビデオカメラの導入は見送りというお話をしましたが、その一方で、新しいデジタルシネマカメラは導入し、既に実戦投入中です。今回は、そのカメラで撮影した映像サンプル(その1)をご紹介します。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(3)

  • 2013-03-27 (水)
  • DSLR

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成田空港での旅客機の着陸シーン

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成田空港A滑走路のランウェイ34Lエンドの地図

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

 Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCN の使い方とその有効性を、具体的な例でご説明しましょう。成田空港A滑走路のランウェイ34Lエンドで、着陸機を撮影するとします。着陸機は遠くから近づいてきて、至近距離を通過し、滑走路上にタッチダウンします。最も接近するところでは、撮影場所から着陸機までの距離は約150m。タッチダウン地点までは約1,000mです。この時は、フォーカスリモコンでフォーカスが動く範囲を150mから1,000mに設定します。この「設定します」というのは具体的には、まず、EFレンズのスイッチをMF(マニュアルフォーカス)にします。撮影場所から150m離れたところにあるものにマニュアルでフォーカスを合わせて、リモコン上のボタン①を長押しします。すると、1つ目のフォーカス位置がリモコンに記憶されます。次に、1,000m離れたところにある別のものにフォーカスを合わせて、ボタン②を長押しします。これで、2つ目のフォーカス位置がリモコンに記憶されます。リモコンのフォーカス・ノブを左右に動かすと、フォーカスは1つ目と2つ目の位置の間を、あらかじめ設定した速さで移動します。

 撮影開始時(遠くから着陸機が接近してくる)は、フォーカス・ノブの操作でフォーカス位置を1,000mにセット、目の前を通過する際には150mに動かし、通過したらまた1,000mに戻します。ノブの操作は左右どちらかに押し続けるだけでよく、長く押し続けても、フォーカスが事前に設定した範囲を超えて行きすぎたり、戻りすぎたりしないというところが、とても重要なポイントです。これにより、実際の撮影現場でも簡単に、明るくても暗くてもジャストフォーカス(正確には被写界深度内)を維持しながら高速で移動する着陸機を撮影できます。夕暮れから夜にかけてでも撮影可能という点では、ビデオカメラのオートフォーカスよりもむしろ信頼性が高いと言えます。

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夜の出発機のプッシュバック

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羽田空港の第1ターミナル展望デッキの地図

 もう一つの例をご紹介しましょう。羽田空港の第1ターミナル展望デッキで、夜、出発機のプッシュバックを撮影するとします。この場合、展望デッキから出発前の旅客機のコックピットまでは約50m、プッシュバック後の旅客機までの距離は約250m(または200m)です。70-200mm/F2.8のズームレンズで、テレ端・絞り開放にして50m先の被写体(=出発前の旅客機のコックピット)にフォーカスを合わせた場合、APS-CのEOSでは被写界深度はわずか8mほどしかなく、フォーカス送りをしないと、プッシュバックしていくうちにどんどんピンボケしていきます。この場合は、フォーカスリモコンでフォーカスが動く範囲を50mから250m(または200m)に設定し、その範囲内で少しずつフォーカス送りをしながら撮影します。
 動体といっても旅客機の場合、その動きは規則的なので、このフォーカスリモコンを最大限に活用できます。同様のことは鉄道やサーキットについても言えるのではないかと思います。反面、軍用機(エアショーなど)やスポーツの動画撮影は相変わらず厳しいでしょう・・・。

 Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCNは、今では国内でも入手できますが、2012年6月時点では(=私がEOS導入の可能性を検討していた時期)新発売になった直後で、まだ海外でしか販売されていませんでした。7月中旬に予定されていたセントレアでの撮影(特に夜間)で使用できるかどうかを早急に確かめる必要があり、わざわざ米国から個人輸入までして事前テストを行いましたが、その結果「これなら撮れる」と分かったので、EOS Movieの本格導入を決めた次第です。逆に言えば、このリモコンが存在しなければ、EOSの導入もありませんでした。

 このフォーカスリモコンを効果的に使えば、特定の被写体については動体であっても撮影は容易という話で、私がEOSを使って旅客機の動画撮影を気軽に楽しめているのにはタネも仕掛けもあるのですが、同種の機能を持った製品は、今のところ他にはないと思います。私の経験では、はっきり言って、これなしではCanonのEOSを使った旅客機の動画撮影は現実的ではありません。被写体の横の動きについてはある程度は対応できても、前後の動きには対応できないからです。特に夕暮れ以降、超望遠での撮影でF値を下げざるを得なくなると、被写界深度がとても浅くなり、ピンボケさせずに機体の動きをフォローすることがとても困難になります。もし、CanonのEOSのカメラやEFレンズ群の資産をお持ちの方で、旅客機の写真撮影に加えて、動画撮影も本格的にしてみたいという方がいたら、上記のリモコンを入手されることを強くお薦めします。

(注意事項)
 MVR911ECCN は、カタログ上では EOS 5D Mark III、EOS 5D Mark II、EOS 1D Mark IV、EOS 7D、EOS 60D、EOS 600D/Rebel T3i/Kiss X5、EOS 550D/Rebel T2i/Kiss X4、EOS 500D/Rebel T1i/Kiss X3 で使用可能となっていますが、私が試したところでは EOS Kiss X6i でも使用できました。レンズに関しては、EF-S 17-55mm F2.8 IS USM、EF 70-200mm F2.8L IS II USM、EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM のフォーカス制御はできましたが、EF-S18-135mm IS STM のフォーカス制御はできませんでした。STM のレンズは、現時点では使用不可の可能性が高いので、注意してください。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(2)

  • 2013-03-22 (金)
  • DSLR

 デジタル一眼レフでの動画撮影は、NikonのD90に始まり、CanonのEOS 5D Mark IIで大きな反響を得るに至りました。デジタル一眼レフは、大きなセンサーと高性能のレンズにより高画質の動画を撮影できますが、マニュアルフォーカス、マニュアル露出が基本です。特にフォーカスに関しては、センサーが大きいために被写界深度が浅くなり、厳密なフォーカス合わせが必要になります。そのため、飛行機や鉄道などの動体(動く被写体)の撮影は困難と思われてきましたし、現在もそう思っている人は多いと思います。私は2012年の6月にCanonのEOSを使い始めましたが、その時までは全く同様の考えでした。例えば、デジタル一眼レフで飛行機の動画を撮影する場合、移動する飛行機を、高い精度のマニュアルフォーカスで追い続けなければならないからです。

 デジタル一眼レフで動画を撮影する場合、プロの多くは、カメラにフォローフォーカスという機器を取り付けて、フォーカスをマニュアル操作しながら撮影しています。

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動画撮影用のフォローフォーカスの例

 写真撮影用のレンズは、フォーカスリングの回転角度が小さすぎて、それを動画撮影中に手で回してフォーカス合わせしながら撮影するというのは非現実的です。この機器を使うと、大きなダイアルを手で回すことにより、フォーカスの微調整を行うことができます。映画の撮影の場合、フォーカス操作は、カメラマンとは別のフォーカスマンが行うことが多いようですが、私が旅客機を撮影する場合は、当然のことながらワンマンオぺレーションです(笑)。離着陸機を撮影する場合、超望遠で安定したカメラワークを行うこと自体が難しいため、上の写真のようなフォローフォーカスであっても、操作しながらの撮影は事実上不可能です。デジタル一眼レフの導入検討時、動体の撮影方法についてプロのカメラマンの方とディスカッションさせていただいたのですが、この点は同意見でした。

 ちなみに、ビデオカメラでも夕暮れから夜にかけてはオートフォーカスが効かなくなるので、マニュアルフォーカスで撮らざるを得ません。家庭用ビデオカメラ(例えばSONYのXR520V)では、マニュアルでのフォーカス送りは現実的ではありません。一般的なビデオカメラはセンサーのサイズが小さく、2/3インチ、1/3インチ、あるいはそれ以下です(ちなみに、XR520Vの場合は1/2.88インチ)。センサーが小さいと被写界深度が深くなるため、構造的にはピンボケしにくいのですが、実際にフォーカス固定で旅客機の動きを望遠で追ってみると、ハイビジョンでは旅客機が動くにつれてピンボケしていくのが分かってしまいます。

 デジタル一眼レフの場合、センサーのサイズはビデオカメラよりもはるかに大きく、被写界深度は相対的に浅くなり、フォーカスの精度はよりシビアになります。高速で動く旅客機を、マニュアルフォーカスで追い続ける実用的な方法がないと、デジタル一眼レフでの動画撮影はできません。言い換えるなら、その方法さえあれば、撮影は特に難しものではなくなるということです。

 私がデジタル一眼レフを導入する際、NikonでもSONYでもなく、Canonを選んだのには大きな理由があります。それは、前回ご紹介した下記のデバイスがCanonにのみ存在したからです。

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

 これは、2012年の6月(=私がEOSを使い始めた時)に、Manfrottoから発売されたCanonのEOS専用のフォーカスリモコン MVR911ECCN です。EOSとUSB接続すると、リモコンのノブを動かすことにより、EFレンズのフォーカスを操作することができます。この製品の優れているところは、三つあります。

 一つ目は、ビデオ用運台のパン棒に取り付けて操作できるため、離着陸機をフォローしながらのフォーカス操作が容易にできることです。二つ目は、設定により、フォーカスを動かすスピードを速くしたり遅くしたりできることです。三つ目は、これが最も重要なことなのですが、ノブの操作の際、フォーカスが動く範囲を事前に設定した2点間に限定できることです。これにより、フォーカスが行きすぎたり、戻りすぎたりすることを確実に防止することができます。

 その他の機能としては、
 ・動画撮影のスタート、ストップ
 ・MFフォーカスアシスト
 (マニュアルで厳密なフォーカス合わせをするために、画面を5倍、10倍に拡大表示する)
 ・ワンプッシュAF
 ・ライブビュー表示のON/OFF
がボタンひとつで操作できます。これらも、動画撮影時の操作性を著しく向上させます。

 次回は、具体的な撮影シーンを例にとって、その使用法をご紹介したいと思います。

Canon EOS で動体を動画撮影するためのキーアイテム(1)

  • 2013-03-19 (火)
  • DSLR

 6月に、とある航空分野の公共施設でビデオ上映会を行うことになりました。そのための撮影・編集作業を始めたので、必然的にその間は、その他の作品作りをする余裕はなくなってしまいました。6月の上映会は、ハイビジョンプロジェクタを使って大きなスクリーンに映写するため、ここ半年強で撮りためた高画質のEOS Movieのストックをできるだけ使いたいと思っていますが、さらに追加撮影も必要になるでしょう。

 このような状況により、しばらく新作公開は難しいため、代わりと言ってはなんですが、デジタル一眼レフでの動画撮影ノウハウを少しご紹介したいと思います。もっとも、一般的なノウハウは既に十分に出回っているので、活用できる人が極めて限られる(かもしれない)、とてもニッチな用途のノウハウです(笑)。

 私が、CanonのEOSで旅客機などの動体を撮影する場合に、もっとも重要なアイテムとして愛用しているのが、Manfrottoのフォーカスリモコン MVR911ECCN です。(メーカーの商品説明ページ

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Manfrotto SYMPLA MVR911ECCN

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リモコンを装着したところ

 実売価格で30,000円前後と、決してお安い製品ではないのですが、私にとってはカメラ本体やレンズ、ビデオ三脚と同じくらい重要なアイテムです。商品説明を読めば、勘のいい方であればその理由は既に分かってしまったかもしれませんが、次回はその機能や有効性について、ご紹介したいと思います。

業務用ビデオカメラの導入は見送り

  • 2013-03-16 (土)
  • 2013

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JVC GY-HM650(成田空港でのテスト撮影)

 ここ1カ月あまり、動画撮影用のデジタル一眼レフ(Canon EOS Movie)に加えて、画質と操作性のバランスに優れた業務用ビデオカメラの導入を検討していました。実際に SONY HDR-AX2000 や JVC GY-HM650 のテスト撮影も行いましたが、デジタル一眼レフで撮影した映像と比較すると、思いのほか画質面での差が大きかったため、導入は見送りました。

 いくつかの機材のテスト撮影を行ってきたのですが、終了しました。6月に、航空分野の公共施設でのビデオ上映会を控えているため、今後の活動は、そのための撮影・編集作業にシフトする予定です。

Panasonic GH2 のテスト撮影

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 以前からとても気になっている、Panasonic の GH2/GH3 のテスト撮影がしたかったので、トライしてみました。GH3 の試用は(買わない限りは)難しかったので、GH2 をレンタルすることにしました。下は、成田空港で撮影した EOS MOVIE と GH2 の比較映像です(同じ場所・時間帯で撮影したものですが、撮影日は異なります)。

 EOS Movie は、良くも悪くも「はっきりくっきり」です(笑)。GH2 は撮ったままだと比較的あっさりした映像で、やや緑かぶりするため、今回は色調やシャープネスを若干補正してみましたが、GH2の上品な映像はとても好感が持てました。

JVC GY-HM650 で撮影した映像(2)

JVC-HM650-DEMO-2

 先日、成田空港・羽田空港で JVC GY-HM650 で撮影した映像の整理とチェックを行っています。最近では稀な望遠性能の優れたビデオカメラということで、印象は概ね良好でしたが、撮れた映像を改めてチェックしてみると、ぶっつけ本番での撮影だっただけに、リトライして再確認したい点がかなり出てきてしまいました。
 また、今回は購入した機器ではなく、デモ機をお借りした形なので、具体的な使用感に関するレポートや、撮影した映像の公開は遠慮させていただくことにしました。このカメラで実際に撮影されたサンプル映像を見る機会はまだ少ないように思うので、もしサンプル映像を楽しみにしていた方がいたら、申し訳ありません。

JVC GY-HM650 で撮影した映像

 先日、成田空港・羽田空港で撮影した JVC GY-HM650 の映像のチェックを始めました。SONY HDR-AX2000 と比べた場合、レンズの切れの良さや暗所性能は、GY-HM650 の方が大きく勝っています。これは間違いないのですが、気になる点も見つかったので、評価はもう少し時間をかけて行いたいと思います。
 あと、近いうちに、Panasonic の ミラーレス機、GH2/GH3 のテスト撮影を行いたいと思っています。

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JVC GY-HM650 で撮影したビデオからのキャプチャ画像

JVC GY-HM650のテスト撮影

 3月2日(土)~3日(日)、さるところのご厚意により、JVC GY-HM650 のデモ機をお借りすることができたので、成田空港・羽田空港でテスト撮影を行いました。もう3月だというのに、真冬のような寒さの中での撮影でした。

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お借りした JVC GY-HM650

 テストのポイントは、ズームレンズを望遠で使用する際の画質、旅客機を撮影する際のオートフォーカスの追従性や手ぶれ補正のフィーリング、夜間撮影時の明るさやノイズの程度などです。いろいろなシチュエーションでの撮影を試したかったので、撮影ポイントを適宜移動しながら実施。短期間(1日半)ではありましたが雨にたたられることもなく、概ね考えていたテスト項目はこなすことができました。これから、撮影した映像をじっくり見てみたいと思います。

EOS Movie のサンプル映像

  • 2013-03-01 (金)
  • DSLR

 ここ数週間ほど、過去半年ぐらいかけて撮りためた動画素材の整理をしています。EOS Movie のストックが増えて、ハードディスクの空きスペースが不足気味になったからなのですが、やはり増設は避けられそうにありません。EOS Movie は、家庭用ビデオカメラで一般的なAVCHDよりもビットレートが高く、ファイルサイズが大きくなるため、ディスクの減りも早くなります。

 前回の記事で、SONY HDR-AX2000 と EOS Movie との比較映像をご紹介しましたが、追加として、それらのストックの中から、いろいろなシチュエーションで撮った EOS Movie のサンプルをご紹介します。撮影場所は、成田空港です。

 撮影に使用した機材は、
 ・Canon EOS Kiss X6i
 ・EF-S 17-55mm F2.8 IS USM
 ・EF 70-200mm F2.8L IS II USM
 ・EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM
です。

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