セントレア(ミニ)撮影ガイド

 セントレア遠征は、日帰りで時間が短かったことから、定番のスカイデッキ以外には行くことができませんでした。駐車場や、海をはさんだ対岸にも撮影ポイントはあるようですが、今回は行けなかったので、ご紹介する撮影ポイントは、スカイデッキのみとなります。(※写真はクリックすると拡大表示になります。)

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中部国際空港の地図

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スカイデッキ

 スカイデッキは、ターミナルビルから滑走路に向かって延びているほか、入り口部分の左右にも延びているため、空港内を移動する飛行機や離着陸する飛行機を、いろいろなアングルから狙うことができます。

 スカイデッキの先端部分は、滑走路に最も近く、離着陸機を見るにはベストポジションです。

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スカイデッキの先端部分

 離着陸機の撮影では、午前中が順光、午後が逆光です。

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 夕日は滑走路の向こう側に沈むため、夕暮れ時は海と夕日をバックに撮影ができます。

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 しかし、スカイデッキの先端部分はその構造上、飛行機の撮影にはやや難点もありました。スカイデッキの先端部分は三角形に突き出していて、滑走路と平行ではありません。そのため、撮影する位置により、滑走路の右半分あるいは左半分しか撮影することができません。特に離陸機を撮る上では、これはかなりの制約条件になります。滑走し始めてから離陸後遠ざかっていくまでを完全にカメラでフォローすることは、ここではできません。また、滑走路上での飛行機の離陸位置は、機種や行き先によってかなり違います。撮影する位置を間違えると、狙い通りの絵を撮ることができません。スカイデッキ自体の位置が、滑走路の真ん中よりもやや南よりだという点にも注意が必要です。

 一方、プッシュバックやタキシングに関しては、スカイデッキの色々な場所から撮影ができ、とても自由度が高いと感じました。

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 先端部分に向かって右側が国内線サイドです。美しいデザインの管制塔もこちら側にあります。国内線サイドは終日順光なので、撮影環境としてはとても良好です。

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国内線サイド

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セントレアの管制塔

 先端部分に向かって左側が国際線サイドです。国際線サイドは終日逆光になりますが、到着/出発する飛行機は、移動する間に向きを変えるので、順光で撮影できるタイミングもあります。また、逆光には逆光の良さがあったりするので、国際線サイドも、そう撮りにくいというわけでもありません。

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国際線サイド

 ただ、海上空港でさえぎるものが何もないせいか、私が行った日は2日間とも風がかなり強く、望遠での飛行機の撮影は、風との戦いでした。

 最後に、スカイデッキのワイヤーフェンスについて。

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 飛行機の写真を撮る人には、セントレアのワイヤーフェンスは概ね好評のようですが、ビデオ撮影をしたい人にとっては歓迎できるものではありませんでした。

 第一に、ビデオカメラの場合、ワイヤーにビデオカメラを差し込んだような状態(ビデオカメラがワイヤーに接触した状態)では、ビデオカメラをスムーズにパンすることは不可能なため、この方法は使えません。第二に、ワイヤーの手前でその間から撮影するのであれば、ワイヤーの直前にビデオカメラを設置しないとワイヤーが写ってしまいます。ビデオカメラでの撮影は三脚の使用が前提となりますが、フェンス前の手すりがじゃまで、フェンスの直前に通常の三脚を立てることができません。また、ワイヤーフェンスが垂直でない点も非常に厄介です。

 何らかの方法で、ビデオカメラをワイヤーに接触させず、かつワイヤーが写らないようにスムーズにビデオカメラをパンする方法を考えなければなりません。ワイヤーフェンスの形状を写真でよく観察したり、既にこの問題にトライしたことのある人の例を参考にしたりして検討したところ、「こういう方法なら何とかなるかも知れない」というアイデアを思いつきました。

 小型のビデオカメラ、小型のビデオ運台、小型の三脚の組み合わせであれば、ワイヤーの前、あるいはワイヤーの向こう側に、それらをうまく設置することができるかもしれません。最終的には現地に行ってみないと何とも言えませんが、基本的にこの前提に立って、出来る限りの事前準備をすることにしました。

 まずは小型の三脚の調達です。小型の三脚は、ブツ撮り用にあってもいいかなと思っていたので、ここで投資しておくのもありだと判断しました。現地でのセッティングは、とにかくフェンスや手すりの形状に合わせるしかないので、三脚のエレベーターの高さや足の長さ・開脚角度などをフレキシブルに調節できるものが欲しい。いろいろ見て回ったところ、これは良さそうというものを見つけました。

 調達したのは、VelbonのULTRA LUXi miniという製品です。


VelbonのULTRA LUXi mini

 エレベーター付き、三脚の足は6段伸縮、開脚角度は3段階に調節できます。さらに、かなりしっかりした自由運台(取り外し可能)も付属しています。高機能な製品なので、ヨドバシ価格で14,800円と、お値段もそれなりにしました。

 他にも何が幸いするか分からないので、三脚は
  (A) Manfrotto MDeVe 756B
  (B) SLIK SPRINT PRO GM
  (C) Velbon ULTRA LUXi mini
の3種類、ビデオ運台は、
  (D) Manfrotto 503
  (E) Manfrotto 701RC2
の2種類を現地に持っていきました。

 実際に現地に行ってのセッティングですが、最初は、最も小型の三脚(C)と小型のビデオ運台(E)という組み合わせで、ワイヤーフェンスの向こう側にビデオカメラを設置することにトライしました。設置自体はできたのですが、運台を動かすためのパン棒がフェンスの間を通らず、カメラを自由に動かすことができません。次に、フェンスの手前(鉄製のフェンスの部分)に三脚を立てることを考えました。足の太い三脚(A)は試すまでも無くNG。足の細い三脚(B)、三脚(C)ではどうかとトライしましたが、いずれも、鉄製のフェンスの間に三脚の脚がうまく通りません。

 ここまでの試行錯誤で、1時間ほどが経過。ややあきらめムードが漂いつつあったとき、これならという方法を思いつきました。それは、以下のようなセッティングです。

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ワイヤーをクリアするためのセッティング

 三脚(C)をワイヤーフェンスと鉄製のフェンスの間に通し、ビデオ運台とビデオカメラはワイヤーの手前に置きます。こうすると、ビデオカメラのレンズをワイヤーの直前に置くことができます。高さを調節することで、ワイヤーとワイヤーの間からうまく撮影ができます。ビデオカメラはワイヤーに接触しないので、パンする際にも問題が生じません。カメラを大きくパンする際には、空いている方の手でワイヤーを押し上げたり押し下げたりして、ワイヤーが写ってしまうことを避けつつ、120度~150度くらいまでカメラを振ることができました。万が一、フェンスの向こう側に三脚が倒れた場合に備えて、三脚のストラップを命綱にしました。

 このセッティングの場合、ビデオ運台は(D)でも(E)でも使用可能でした。当日のセントレアのスカイデッキはかなり風が強く、よりスムーズな動きの運台を使いたかったので、ややトップヘビーになってしまいますが、もっぱら(D)を使いました。なお、このセッティングは、ビデオカメラの大きさも重要です。小型のビデオカメラでないと、カメラがワイヤーに接触してしまいます。今回使用したSONYのXR520Vでも、テレコン(VCL-HG2037Y)を付けた時はレンズがワイヤーに接触しました。

 こうして、セントレアでも、かなり自由にカメラを動かしながら撮影することができました。羽田や成田の展望デッキ(フェンスにカメラ用の穴がある)よりも、むしろ撮影はしやすかったくらいです。こうした工夫は、撮影場所が空港という場合に限って必要となるものです。あの手この手を考えることが楽しいという側面もないとは言いませんが、本来的にはもっと制約の少ない撮影環境を望みたいものです。そうすれば、飛行機をどのように撮るかという、より本質的なところに、もっと集中することができるので。

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